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形なき「新しい体験」を創れ!『ユージェネ』開発チーム座談会【#黎明編】
TEAM

形なき「新しい体験」を創れ!『ユージェネ』開発チーム座談会【#黎明編】

総合プロデューサー

福重 潤哉

映像系のCGスタジオなどを経て、2014年3月コロプラに入社。複数のタイトルのプロジェクトマネージャーを歴任した後、『ユージェネ』の開発を開始。STAR STUDIOSスタジオ統括。

クライアントエンジニア

ザキヤマ

ゲーム会社を経て、2014年8月コロプラに入社。『東京カジノプロジェクト』『プロ野球バーサス』の開発、運営に従事した後、『ユージェネ』に参画。

アーティスト

タナカウサギ

IT企業、コンシューマーゲーム会社を経て、2015年10月コロプラに入社。アートディレクターとして『ドラゴンプロジェクト』の世界観を構築し、運営にも携わった後、『ユージェネ』に参画。

3Dデザイナー/プランナー

アンドウ

2016年4月コロプラに新卒入社。XRの開発チームに配属されたことから簡単なコーディングもするようになり、本業はデザイナーでありながら『ユージェネ』ではプランナー的役割も担う。

2ヶ月間のβ運用期間を経て、2021年7月1日、正式にサービスを開始したコロプラの新作タイトル『ユージェネ』。

先日公開した記事でも触れられていたように、各所に "新しい体験" が詰め込まれているため、「生配信をリアルタイムで視聴/プレイしていない方に、概要や感想を伝えるのは難しいね」とBe-ars編集部でも話しています。

しかし完成形を知っていても「説明するのが難しい」と思うということは、開発初期メンバーはさらに難しい過程を経て制作したのではないでしょうか。
そこで今回は、"新しい体験" を作るために必要なスキルやマインドとは一体どんなもので、具体的にどんなコミュニケーションを取っていたのかという視点から、気になるところをあれこれ聞く座談会を実施しました。

運営フェーズになっても「まだまだ改善中。そして新メンバーを大募集中!」というメンバーたちが語ったこととは?
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"新しい体験" を生み出すための
開発初期メンバーとは

コロプラでは 「最新のテクノロジーと、独創的なアイデアで "新しい体験" を届ける」というVisionを掲げていますが、新規プロジェクトの開発は、どんなふうに始まるものなのでしょう。

福重 『ユージェネ』の場合は、ある日、僕が馬場さん(社長)に呼ばれて「普段コミュニケーションが取れるはずのないゲームキャラクターが、ライブ配信してくれるようなコンテンツができたら面白いと思うんだよね」といった話をされたのが始まりでした。3年ほど前になります。

その話を聞いたとき、今の『ユージェネ』の姿を想像できましたか。

福重 いや、できませんよね(笑)。まだVtuberとかバーチャルタレントといった言葉も今ほど浸透していない頃で、ライブでやっているようなコンテンツもほとんどなく、YouTubeで編集された動画を見かけるぐらいでしたから。ただ、「もし、ストリーミングでない手段をもちいてキャラクターとプレイヤーがリアルタイムでゲームをしたり会話できるようになったりしたら、それはものすごく "新しい体験" を届けられるのではないか」ということは想像できました。そこから企画書を作り、モック開発を進めるにあたり、プランナー、エンジニア、デザイナー、それぞれの職種に声をかけていきました。
アンドウくんに関して言うと、「Google Maps を使ったモックをたくさん作っているデザイナーがいる」という噂を聞いて、誘った記憶があります。
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アンドウ 僕はVRやARを使ったゲーム開発を経て、さらにほかの技術を使ったゲームを作りたいと思っていたんですよね。当時はとにかくモックを「作っては壊す」を繰り返していました。

福重 なかばエンジニアみたいな印象もありましたね。それから3ヶ月くらい経って、コアアクションであるジャイロゲームの方向性が決まってきたこともあって3Dリソースを強化したいと考えるようになり、タナカさんに入ってもらいました。

タナカ 僕は前のプロジェクトが落ち着いたタイミングで「新規プロジェクトに参加したい」と言っていたら、『ユージェネ』チームに配属されました。少し前にUIデザイナーがジョインしたというタイミングで、たしか7〜8人目だったと思います。

福重 タナカさんとはそれまで一緒に仕事をしたことがありませんでしたし、世界観がきっちりできあがってもいなかったので、まずは遊びとして面白くなるようにゲームの方向性を伝え、極力提案してもらうようなコミュニケーションではじめましたよね。一方のザキヤマさんは、複数のプロジェクトで一緒に仕事をしたこともあったので、そのとき進捗が良くなかった部分などを相談していきました。

ザキヤマ そうですね、僕はタナカさんが入ってから数ヶ月後に呼ばれました。ライブの配信もできてマップゲームもできている状態でしたので、『ユージェネ』を構成する2大要素はすでにあったと思います。ただ、細かな仕様や遊び、ビジュアルの雰囲気はそこからずいぶん変わりましたね。

アンドウ それで言うと「作っては壊す」を繰り返しすぎていて、ザキヤマさんが入ったときに自分がどんなモックを作っていたか、ちょっと思い出せないですね(苦笑)。

タナカ アート面も同じです。具体的なイメージが全然なかったので、最初の頃はかなり試行錯誤していました。
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こちらとしては今の『ユージェネ』以外の姿を想像できないのですが、可能な範囲で、ボツ案などを見せていただけたりしませんか。

福重 そうですね。たとえば、マップゲームはこんなテイストの時期もありました。

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まったく違いますね! 個人的には面白そうだなと思うのですが、なぜこれがボツになったのでしょう。

福重 これはこれで好きな方もいると思いますが、やっぱり『ユージェネ』のような新奇性の高いコンテンツでSFは......ちょっと尖りすぎていますよね(笑)。

アンドウ ああ、少し思い出してきました。たしか「広く、いろんな方に遊んでもらえるように」ということで、SF案は違うという話になったんですよね。「もうちょっと目に優しい世界で」みたいな流れだった気がします。

そして草原や海をめぐるマップゲームになった、と。本当にいろいろな過程を経て、現在の形になっているんですね。

完成形のわからないパズルを
みんなで埋めていった黎明期

完成形が明確にはイメージできない状態で、かついろんな人とものづくりをしていくのは容易なことではないと思います。どんなふうに進行していったのでしょう。

アンドウ まずこのタイトルのコンセプトとして "キャラクターが生配信" することは決まっていたので、それを絶対的な軸として、パズルのピースを埋めるような感じで進めていきました。それがどういうパズルの形かはわからないけれど、そこに埋まるピースをみんなで一つひとつ考えて、アイデアを持ち寄って作っていったというか。

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逆に言うと、キャラクターが生配信すること以外は決まっていなかったということでしょうか。

福重 「生配信以外の時間をどう楽しんでいただくか」「生配信はリアルの時間を使うから、リアルと親和性の高いゲームがいいのでは」といった観点からマップゲームを入れることは決まっていたのですが、実際、作りながら決めていった要素は多いですね。

ザキヤマ マップゲームに関しても、はじめは今のように「物理的に歩かなくても進行できるマップゲーム」ではなくて、いわゆる「位置ゲー(物理的に歩くことで進行するマップゲーム)」を想定して作っていましたよね。

福重 マップを使ったゲームと言えば、そういった流れが自然だと思いますが、「生配信は多くの方が家で見るものだし、家で完結できる仕様がいいのでは」とずっと考えていて、ある日、(物理的に歩かなくても)日本全国をめぐれるような仕様に一気に方向転換しました。

ザキヤマ エール(生配信でキャラクターに贈るアイテム)をマップで手に入れるというコンセプトも決まっていましたけど、それをゲーム内にどう落とし込むかについてはみんなで長いこと考えていましたよね。
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「ゲーム内にどう落とし込むか」とみんなで考えて、現在の型ができるまでの間に、何かターニングポイントのようなものがあったのでしょうか。

アンドウ やっぱり、タナカさんが「目(め)」を作ったときじゃないですか。日本全国をめぐったときにご当地ごとの敵キャラがいて、それに全部「目」を付けるという。

タナカ あれも試行錯誤の末でしたよね。それまでもいろんな敵キャラのデザインを作っていたんですけど、敵が数種類だと飽きてしまうし、かといって大量に作るにしても工数がすごく掛かってしまうしで......少ない工数でなんとか新しい見た目のもの、かつお話につながるものをひたすらみんなで考えて、最後「目をつける」というアイデアが採用されました。結果として今、300以上の敵キャラがいますので、やりこみ要素の一つにできたかなと思っています。
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「みんなで考えて、みんなで作る」という、まさにコロプラらしい作り方ですね。あとマップでは、山や谷といった起伏のある地形を進んでいく仕様になっていて、それも新感覚でした。

アンドウ 最初は平坦な道を移動する仕様だったんですけど、見た目が代わり映えしないのがずっと気になっていて......地形標高機能(起伏込みの Google Maps:Google Maps SDK上に起伏を付ける機能)が出たときは「もっと早く出してほしかった!」と思いました(笑)。
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ザキヤマ ただ、そもそもマップゲームにおける起伏ってメリット・デメリットがあるんですよね。起伏ができると他のオブジェクトの描画の邪魔になって、進行方向や周りの状況が見えづらくなるので......それを考慮して実装するのはなかなか難しかったです。

アンドウ そのあたりの課題はありましたよね。あと、起伏を入れることによって提供できる新しい遊びも考えて、ロイド(というロボット)のレッグ(足の装備)を取り替えられるようにしたのは、マップゲームの醍醐味だと思います。効率良く移動するレッグ、山の斜面や水上移動に適したものなど複数のレッグがあるので、プレイヤーの方にはぜひ上手く組み合わせて使っていただきたいです。
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あらゆるところに、
"新しい体験" を入れよう!

マップゲームでは「ルーム」に飾れるアイテム(家具や小物など)ももらえますよね。生配信が核にあるタイトルなのでエールをもらえるだけでも成立しそうですが、なぜこのシステムにしたのでしょう。

アンドウ あれがないとプレイヤーがマップゲームで頑張って得られるものがエール(生配信でキャラクターに贈るアイテム)だけになって、(それを生配信で使うと)手もとに残らず、ご褒美として少し弱いと思ったんですね。そこでいくつか案を出したところ、ルーム案が採用されました。

福重 ちなみにその理由は当時、定期的に行っていたブレスト会で「もしも生配信中に、キャラクターが自分のルームに遊びに来てくれる企画(現『お部屋探訪』)があったら、面白くない?」というアイデアが出たからでした。

アンドウ ゲームで遊んで得たアイテムの受け皿と、部屋を整えるモチベーションが結合できたんですよね。アイテムもこれでもかと用意して。

タナカ アイテムはたくさんあったほうが嬉しいと思うので、いろいろなテーマに沿って、1,500個以上制作しました。あとルームの楽しみ方について言うと、1マスずつ部屋の拡張ができたり、物の上に物を置けたりしますので、従来のインテリアゲームで「できたらいいな」と思われていたようなことがいろいろ実現できているかと思います。ARでルームの中に入ることもできますしね。

あらゆるところに "新しい体験" を入れようとしてきた感じが伝わってきたのですが、一番苦労したポイントはどこでしたか。

アンドウ 僕は、世界観の設定が決まるまでのところが一番大変だったと思っています。生配信の世界観と、ゲームでやりたい方向性との折り合いがなかなかつかなかったんですよね。

ザキヤマ クライアントサイドではクエストの大枠が決まるまでの時期が大変でした。今でこそクエストも500とかありますけど、世界観やストーリーとの繋がりができなくて作り直したところが結構あったんですよね。

タナカ 僕はやはり初期に、キャラクターのコンセプトとデザインを考えていたときが大変でしたね。そもそもまったく新しいエンターテインメントで、普通のキャラクターを作っても埋もれてしまうと思っていたので。あとマップゲームの背景まわり(海やダンジョン:地下鉄、学校、森など)のビジュアル制作も非常に苦労しました。描画担当のエンジニアに相談したり、ほかのチームのデザイナーに来てもらったりしてなんとか着地しましたけど......毎晩、福重さんとああでもないこうでもないと話していましたよね。

福重 ビジュアル面も相当こだわりましたからね。たとえば海については「綺麗すぎない、日本のどこにでもありそうな海がいい。波は絶対作ってほしい」とオーダーをして......最終的にとても綺麗なグラフィックになりました。夕方の時間帯(16時以降)がとくに綺麗なので、プレイヤーの方にはぜひ、画面を動かして背景を楽しんでみてほしいなと思います。
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アンドウ ああ、でもやっぱり一番大変だったのはアスタトーク(マップゲームで流れるラジオのような会話音声)だった気がしてきました。キャラクターたちがフリートークをしているのですが、"それぞれ別の世界で暮らしていた" という設定の縛りがある中で、現在の世界観と大きく矛盾しないような音声を何十時間分も収録しないといけなくて......サウンドの高津戸さんとすごく苦労して組み立てていったんですよね。

福重 どのセクションをとってみても、すべてが難しくて、すべてが大変だったので、「これが一番大変だった」って言えないですね(苦笑)。

アンドウ 単純にコンテンツの量が多いので、福重さんが判断しないといけないところが多いですしね。僕たちは足りないものを頑張って用意するのが日常茶飯事で、環境や道具をそろえるのにいつも苦労していました。

ザキヤマ やっぱり、やることが多いなっていうのは思いましたよね。そもそも生配信のライブパートとマップパートという時点で2つのタイトルを同時に作っているような感じになるので、そりゃ大変だよなっていう(苦笑)。

それでも3年でサービス開始に至ったわけですが、何か前へ進めるためのコツなどがあったのでしょうか。

アンドウ 自分の役割としては、決まったものを一つ頑張って組み立てるというよりは、そのとき必要な要素をとにかく速くモックで作って、パズルのピースにハマるかどうかと提案して、迅速に福重さんに確認してもらえるようにしていました。

ザキヤマ たしかに、まずスクラップアンドビルドが基本だと思って取り組んでいたのと、一つひとつの作業をスピード感を持ってやりましたね。

タナカ やっぱり、新しくて世にないものを作ろうとしていたので、「こうすれば、たぶんこう進むんだろうな」という参考になるものがないわけで、探り探りで作っては壊し、壊しては作って......そして、だんだん良くなっていくという、そういう方法しかないんじゃないかなって思いますね。

福重 その通りですね。だから "前へ進めるためのコツ" があったというより、「どんなことがあってもプロジェクトの目指す方向に頑張って応えてくれた人たちがいたからここまで来られた」と思っています。

そして今もみなさんで運営中で、現在は「運営メンバーを大募集中!」ということですが、どんな方を求めているのでしょう。

ザキヤマ 運営段階に入ってもどんどん新しいことにチャレンジしていますので、根底に「挑戦したい」という意欲がある方が向いていると思います。

タナカ そうですね。デザイナー視点でも『ユージェネ』はチャレンジしている要素が多くて、ほかのスマホゲームと比べてもクオリティが高いことをやっていると思うので、次の段階に進んでいきたいという意思がある方と一緒にものづくりができるといいなと思います。

アンドウ あと募集職種に沿って、より踏み込んだことを言うと、スマホゲームというよりはテレビ番組のようなものを作っているので、"放送するエンタメ" というところに技術や知識、そしてセンスがある方がいいのではないでしょうか。

福重 僕は面接をする機会も多いのですが、リアリストのような側面をお持ちの方が合っているのかもしれない、と思っています。僕たちがやっていることって、たしかに "新しい技術で新しいエンタメを作る" という夢のあることではあるのですが、実際には日々時間に追われていたり、オペレーティブな部分も多かったりするので、そういった面も含めて「プレイヤーの方に最高に楽しい時間を届けたい」という強い意志のある方が魅力的だなと思います。
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いい出会いがあるといいですね。 最後に、これだけは伝えたいということがあったらお話しいただけますか。

ザキヤマ やっぱり、プレイヤーのみなさんのことですね。生配信後に実施しているアンケートがあるんですけど、いつも温かいコメントをたくさんいただいていて、とても励みになっています。

福重 よく「元気をもらいました!」って配信後のアンケートなどで感想をいただくんですが、そう言っていただけるタイトルって実はそんなにない気がするんですよね。僕自身、これまで作ってきたゲームで「面白い」と言っていただくことはあっても、「元気をもらえた」と言われるのは新鮮で、そういうコンテンツに携われているというのは嬉しいですし、無事リリースできて本当に良かったなと思っています。

アンドウ 生配信中のエールの贈り方やコメントなども、想定していた以上にプレイヤーのみなさんに盛り上げていただいているなと感じるところがありますよね。

タナカ 僕も同じように感じていました。今も新キャラをはじめ、いろんな企画をしていますので、これからもっと多くの方に楽しんでいただけるようになるといいなと思います。

福重 というわけで、長期的な視点でLIVE配信事業を盛り上げていけるように、運営メンバーを大募集中です。コロプラの挑戦する姿勢に共感をいただける方は、ぜひエントリーをよろしくお願いします!

今後の展開も楽しみにしています。 今日はありがとうございました!!

※ 本インタビューは2021年6月某日、撮影時のみマスクを外す等、感染症対策を十分にした上で行いました。