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毎日スマホで生配信中!? 片道最速0.4秒を突破した『ユージェネ』開発チーム座談会【#生放送編】
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毎日スマホで生配信中!? 片道最速0.4秒を突破した『ユージェネ』開発チーム座談会【#生放送編】

総合プロデューサー

福重 潤哉

映像系のCGスタジオなどを経て、2014年3月コロプラに入社。複数のタイトルのプロジェクトマネージャーを歴任した後、『ユージェネ』の開発を開始。STAR STUDIOSスタジオ統括。

クライアントエンジニア

菊地 俊

コンシューマー系のゲーム会社を経て、2013年11月コロプラに入社。複数のタイトルの開発に従事した後、『ユージェネ』に参加。

配信スタジオエンジニア、プランナー

清木 昌

新卒でコンシューマーゲーム会社に入社して以来、R&Dから開発のマネジメントまで幅広く従事。2019年9月コロプラに入社。

サウンドディレクター

高津戸 勇紀

新卒からサウンドクリエイターとしてゲーム、遊技機、イベントなどのBGMや歌楽曲などの制作に従事した後、2019年9月コロプラに入社。『ユージェネ』以外のタイトルではBGMにおいてギター演奏を担当することも。

2021年4月21日にβ版としてリリースされて以来、毎日「生配信」を続けているコロプラの新作タイトル『ユージェネ』。

この生配信はいわゆるストリーミング配信ではなく、コロプラが独自に開発した新形式のリアルタイムレンダリングで行われるため、プレイヤーはかつて経験したことのないような速さで、生配信中のキャラクター(アスタリスタ)とコミュニケーションを取ることができます。

その遅延時間(片道最速)は「0.4秒以下」とも言われ、ほぼタイムラグがないわけですが、一体どのように実現させたのでしょう。そもそも長年スマホゲームを開発・運営してきたコロプラでも、アプリ内における「生配信」は初の試みです。

そこで開発チームに話を聞きに行ったところ、7月1日の正式サービス開始に向けて全力疾走中! という、総合プロデューサー、クライアントエンジニア、配信スタジオエンジニア、サウンドディレクターが、快く迎えてくれました(※ 本インタビューは2021年6月某日に実施)。

「届けるべきは "新しい技術" ではなく、"新しい体験"」という前置きをしながら、それぞれのセクションのコアメンバーが語ったこととは?

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新プロジェクトが始まった!

まずは簡単な自己紹介と、みなさんの参加経緯からお話しいただけますか。

福重 僕は『ユージェネ』を最初期から作っていて、総合プロデューサーをしています。 『ユージェネ』は "リアルタイムでキャラクターとゲームをする" というライブ配信が核にあるタイトルで、「LPG(Live Playing Game)」という新しいジャンルを作ろうというコンセプトで開発を始めました。この座談会メンバーに関して言うと、まずキャラがゲーム内でリアルタイムに動く部分がおおよそできたタイミングで、菊地さんに入ってもらいましたね。

菊地 そうでしたね。僕はまだ『ユージェネ』のメンバーが10人いないくらいのときにクライアントエンジニアとして参加しました。通信基盤はすでに作られていて、「生配信でキャラとプレイヤーが一緒に遊ぶゲームを作りたい」と言われて、ちょっとしたカジュアルゲームを作ったのが最初だったと思います。

福重 それからしばらくして、配信スタジオで音響テストをするくらいのときに清木さんが中途採用の面接に来ていて、初めてお会いしたんですよね。

清木 最初に開発中の『ユージェネ』を見たときのことは今でも鮮明に覚えていますが、モックをちょっと見ただけで、私がずっと作りたいと思っていた "新しい没入体験" を作れるアプリだと確信したんですよね。そこで、「これを作っているのなら、ぜひ参加したい」と言ってジョインさせていただきました。

福重 ちょうどこのアプリを構成するいろんな要素が固まってきたタイミングで、「あとは効率的に負荷を減らして配信させるネットワークにしたい。強固な基盤を作りたい」と話していたところに現れたのが、まさにその技術を持っている清木さんでした。

そして、高津戸さんも清木さんと同じ時期に入社されていますよね。

高津戸 はい、同じく2019年9月入社です。ただ、僕はほかのタイトルを担当してからジョインしましたので、『ユージェネ』チームに入ったのは少し後になります。最初のミッションはテーマ曲でもある歌唱曲「Your only generation」の制作案件でした。

福重 アニメのオープニングっぽい感じで、テンポ速めのロック調で......というイメージはあったんですけど、なかなかピンとくる曲にならなくて、最初のサンプルと全く違う曲になったと思います。

高津戸 フィードバック、フィードバックの繰り返しで、完成までに1年かかってますからね(苦笑)。

菊地 そんなにかかってるんですか!

清木 結果、このタイトルの世界観にピタリと合ういい曲になったと思いますけど、難産でしたよね。

高津戸 外部の方にも多大なご協力をいただいてなんとか着地しましたが、普通のゲームの歌楽曲を作るのとは全然違う、特殊な案件でした。世界観に合わせることはもちろんですが、ゲームのキャラソンを作るというよりは、キャラクターをアーティストプロデュースするような感覚で、純粋に「良い曲」を作ることが求められたんです。

福重 そもそもオープニングムービーで使用するインスト(楽器)だけの予定だったのが、高津戸さんが入ったおかげで歌唱曲も作れることになったので、「それならライブでも歌えるオリジナルの曲にしよう!」という話になって、やりたいことがどんどん広がっていったんですよね。改めて振り返ると、いろんな技術を持った人が偶発的かつ必然的に集まったことで、当初の企画以上の "新しい体験" がどんどん形になってできたタイトルだと思います。
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遅延時間(片道最速)「0.4秒」。
作りたかった "新しい体験" とは?

コロプラでは 「最新のテクノロジーと独創的なアイデアで "新しい体験" を届ける」というVisionを掲げていますが、『ユージェネ』ではプレイヤーにどんな体験を届けたいと思って作ったのでしょう。

清木 やはり「アスタリスタ」という異世界の存在(現時点では3キャラクター)が、現実世界のプレイヤーとリアルタイムで交流を持てること。そこで生まれる体験や感情に価値があるタイトルですので、両者が同じ時間を過ごしている感覚を持てるようにすることが大事だと思って取り組みました。

そこで課題になるのが、やはり生放送につきものの「遅延時間」でしょうか。

清木 そうですね。私が入社した当時は「3秒」が速さの限界(片道最速)で、そこから技術的に可能なところをできるだけ目指していきました。と言っても実装してくれたのは別の優秀なエンジニアで、私は「こういう設計にしたら、きっとできるはず」と伝えたまでです。

菊地 オンラインの配信コンテンツにおける「3秒」は、"話が噛み合うコミュニケーションができる" ギリギリのラインですよね。仮に3秒前のコメントが流れてきて、それに対してキャラクターが喋ると結構ズレが出てしまうというか。
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そして最終的には、視聴者のコメントがアスタリスタに届くまでの速さを「0.4秒」まで縮められたということなのですが、実際どのくらいの速さなのでしょう。

福重 実測値としては「0.2...秒」とか「0.3...秒」のときもあって、もう少し速いんですよ。余裕をみて公表値「0.4秒」としています。

清木 その「0.4秒」がどういう速さかというと、配信スタジオでアプリ上の生配信を見ていても、ほぼ遅れていると感じないレベルの速さで届きます。その体験を日本全国にお届けしています。

菊地 今思い出したんですけど、初期のテスト配信では遅延がすごかったんですよね。生放送のつもりで配信しているのに、スマホに届くのは15分後とか(苦笑)。話が噛み合わないどころか会話が成立しなくて、申し訳ない思いでいっぱいでした。

福重 そういえば、太陽系のどこかで配信されているみたいな遅延状態のテスト期間もありましたよね(笑)。そして配信を続ければ続けるほど遅延時間が伸びていくっていう......最後は双方向のコミュニケーションになるはずのコメント欄が機能せず、キャラクターの「ひとり日記」みたいな感じになっていて、別の意味で面白かったです。

高津戸 こうして今、「0.4秒」って口で言うのは簡単ですけど、本当にいろんなところをしっかり作っていかないと実現できないことですよね。
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キャラクターの声や歌を、
スマホでいかに綺麗に届けるか

遅延時間に続いて、配信まわりで苦労したことやこだわったポイントについてお話しいただけますか。

福重 やっぱりノウハウがなかったぶん、音まわりは大変でしたね。そもそもゲーム会社だからゲーム部分はどうにかなるだろうと考えていましたけど、生放送のライブ、とくに歌唱パートについては手探り状態でスタートしたんですよね。サウンド的にはどこが一番大変でしたか。

高津戸 いやもう全部苦労したんですけど(笑)、このタイトルはやっぱりアスタリスタあってのものですので、その声や歌唱曲をいかに違和感なく綺麗に届けるかが一番大切なことだと考えて、こだわっています。

清木 アスタリスタたちの声や歌の配信まわりは、相当こだわりましたよね。ある意味、声ってその存在が一番伝わるものなので。

高津戸 さらに『ユージェネ』の場合、生配信だけでなく通常のゲームパート(日本地図をめぐる「#ワールド」)もあり、そちらの音との兼ね合いもあって、調整難易度が非常に高かったです。

「生配信とゲームパートの兼ね合い」とは?

高津戸 ちょっと複雑な話になるんですが、そもそも『ユージェネ』の生配信中にスマホから聴こえる音って、配信スタジオからリアルタイムに送られてくる音と、それ以外の音(BGMやミニゲームで鳴らされる効果音など)がミックスされたものになるんですね。また一方で、ゲームパート専用のBGMや効果音、ストーリーの音声、アスタトーク (キャラクターたちによるラジオのような会話音声)もありますから、全体を通して違和感を与えないように調整する必要があるんです。

清木 そういうミックスされた音に問題があるときって、「なんかおかしい」というのはわかるけど、その問題の原因がどこにあるのかを追いかけるのかが難しいんですよね

高津戸 本当にその通りです。そのため、まずは基準となる音量を決めてから、生配信側の配線図とゲーム側の配線図を一つひとつ丁寧に辿って調整し、全体のクオリティを上げていくという......途方もない作業をしました。清木さんが配信スタジオの機材の使い方を隅々まで把握していて、僕が調整したいポイントを伝えるとすぐに対応してくれたので、非常に助かりましたね。サウンドご出身でもない方なのに、ビックリです(笑)。

清木 1カ所でも失敗すると音が割れてしまったり、音がくぐもって聞こえたりするので、スタジオではステレオミキサーを替えたり、配信側のパソコンも設定を調整して、さらにテレビ局でも使っているマイクを導入したりして......最初から最後まで一番いい音が流れるように丁寧に見ていって、いろんな工夫を積み重ねていったんですよね。

福重 その話で思い出したのですが、清木さんに「配信スタジオにおいてやったほうがいいことリスト」をまとめていただいたことがあって、あのときは感銘を受けました。ソフト面でもハード面でも、どんなものを導入して、どういう確認をするといいか、このシステムではここを直すといい......といった細かいところまでリストアップしてもらったので、こちらとしては何をすべきかの優先度がわかり、判断が的確にできたんですよね。

清木 スタジオの音質とモーション品質の改善を試行錯誤することから、ライブ中に気持ちよくボタンを押せるには!?といった検討まで、『ユージェネ』ならではの新しいトライを積み重ねてきました。

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"新しい体験" を届けるために
欠かせなかったAR

生放送では「アスタリスタをARで(プレイヤーがいる世界に)呼べる」ということも初の試みでしたよね。この着想はどこから来たのでしょう。

福重 ARは個人的に、開発当初からすごくやりたいと思っていたことでしたリアルタイムで動いているキャラクターをすぐそばで、かつ360度どこからでも見られるというのは、とてつもなく "新しい体験" になると確信していました。

清木 ARって一時期盛り上がったものの、その後、技術者の間では「ああ、ARね」みたいな感じになっていたかと思います。でも『ユージェネ』におけるリアルタイムでキャラが動くという発想は独創的だと思いますし、このタイトルで生みたかった感情、"アスタリスタがそこにいる" という体験を届けるために欠かせない要素ですよね。

一方で、福重さんの頭の中にだけあったイメージを形にするのは、そう簡単なことではないのではないでしょうか。

菊地 そうですね......僕は福重さんが実現したいことを形にするために、なんとか実装していくという立場なんですけど、ARに限らず、「Google Maps入れたいし、VRもやりたいし、そうだ、着替え機能も追加したいね!」みたいなことを言われ続けていたので、頑張って作ったなと思います(笑)。
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福重 本当にありがとうございます(笑)。「カメラを動かしてもキャラの目線だけ、常になんとなくこっちを見ているようにしたい」とか、「胸で呼吸をしているような感じのモーションを入れたい」とか、「アニャのデフォルト衣装だけ、尻尾は上にして動かしたい」とか。

清木 なかなか気づかれないようなところのこだわりが、結構ありますよね。

菊地 そういうものを積み重ねて、いかにキャラが魅力的に見えるか調整して、「よく見えてきたね」といったやりとりをずっとしていた気がします。

そしてβ版としてリリースを迎えた後も、改良を続けているわけですね。

福重 毎日どんな番組構成にすると楽しいかずっと考えていて、生電話、対戦ゲーム、クイズ......といった遊びを試し試しやっているんですけど、あるとき気づいたのが、開発視点で "新しい" と思うことと、プレイヤー視点で "新しい" と思うことって常に一致するわけではないということなんですね。たとえば僕たちからしたら数年前の技術が、「こんなことができるなんて!」と多くの方に喜んでいただけることもあったり。それで改めて思うのは、届けるべきは "新しい技術" ではなくて、それを使って作る "新しい体験" だということなんですよね。

清木 それから最近(2021年6月16日)登場したOculus Quest 2版(Oculus Questでも参加可)では、VRで生放送に参加できるのですが、これも『ユージェネ』だから実現できた "新しい体験" の提案の一つですね。

日々発見があり、"新しい体験" の提案も続いていくわけですね。それにしても「毎日生放送」というのは大変ではないですか。

高津戸 それで言うと、最小限の人数で運営できるような体制を実現するために、事前に様々な準備をしているのが大きいです。たとえばガヤ(拍手の音など)はキャラクターのトークにリアルタイムでスタッフが反応して鳴らしてくれているんですけど、問題なく配信できているのは事前の工夫と修練の賜物だと思います。音質面でもいろいろ仕込んでいますし、カメラワークなどにもかなりの工夫がされています。

清木 本当だったらすごく大変なことを、できるだけ事故なく配信できるように、エンジニアたちがとても丁寧に配信システムを作っているんですよね。コロプラの底力だと思います。

福重 極力システマチックにできるところはそうしていますけど、できないところもあるので、やっぱりみんなの努力で成立している部分はたくさんあると思いますね。そもそも一般的なスマホゲームのイベントって2週間に1回くらいの開催だと思うんですけど、それが毎日あるので。だから今一緒に運営しているメンバーには感謝していますし、それはすごいことだと自信を持ってほしいなと思います。
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菊地 そして現実的な話になりますけど、今、新たなメンバーになってくれる方を募集中ですよね。

福重 大募集中です!

どんな職種の方を募集されていますか。

清木 具体的な職種名や募集要項は『ユージェネ』の公式サイトキャリア採用ページに載っていますので、そちらをご覧いただければと思います。

福重 ちなみに『ユージェネ』を作っているのは「STAR STUDIOS」というスタジオなんですが、「STUDIOS」が複数形であるように、今後は『ユージェネ』以外のタイトルも作っていきたいという思いがあります。ですので、長期的な視点でLIVE配信事業を盛り上げていきたいという方にエントリーいただけるといいなと思います!

なるほど。そして福重さんには引き続き、次回の座談会【黎明編】でもお話しいただきますので、『ユージェネ』や採用情報にご関心のある方には、ぜひそちらもお読みいただきたいと思います! 今日はありがとうございました。

※ 本インタビューは撮影時のみマスクを外す等、感染症対策を十分にした上で行いました。