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『白猫プロジェクト』モーションデザイナーブログ Vol.4
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『白猫プロジェクト』モーションデザイナーブログ Vol.4

ワクワク

2016年3月中途入社。『白猫プロジェクト』のモーションを作り続けて早4年。『白猫』のキャラクターの魅力を届けるために日々奮闘中、リーダーとしてスケジュールやクオリティ管理もしています。

前回のブログを書き終えたとき、次回はポージングやモーションのコツについてお話ししようと考えていたのですが......あれ以来、6周年イベントに掛かりっきりで、このブログを書けておりませんでした。そこで、せっかくですので今回は6周年のHorizonシリーズについて、モーション班からの目線でお話しできればと思います。ちなみに登場キャラが多いので、ところどころでチームメンバーにヒアリングもしつつまとめております。※ネタバレを含む可能性がございます。あらかじめご了承ください。

『Gravity Horizon 〜 新たなる目覚め 〜』

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2020年3月31日に始まったイベント『Gravity Horizon 〜 新たなる目覚め 〜』は、『白猫プロジェクト(以下、白猫)』のアニメ放送記念イベントとしてリリースされました。放送(2020年4月6日〜6月22日放送)をご覧になっていない方に向けてちょっと補足しますと、これはもともと3周年記念イベント『ゼロ・クロニクル 〜 はじまりの罪〜』をアニメ化したもので、闇の王子と光の王という2人がメインキャラクターのお話でした。

そして、この『Gravity Horizon 〜 新たなる目覚め 〜』の中心人物であるユベルとニエルについて、プロジェクトマネージャーから最初に聞いた設定は「闇の王子と光の王の生まれ変わり的なビジュアルです」と、そんな感じで共有されました。その時点ではこの後に続いていく6周年記念イベントのプロットも確定していなかったので、『Original Horizon - 受け継がれし絆 - 』(2020年7月14日から開催された、6周年記念イベントの最終章)であそこまで深い展開になると思っておりませんでした。

そんなわけで、まずユベルとニエルのスキル自体は3周年でリリースした2人をベースに、どちらかというと原始的な力強さが出るように、体を開くようなポージングを入れています。
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はじめユベルとニエルの敵だったレヴは可愛らしい見た目と裏腹に武闘派で、また大精霊アピスについてはその後のストーリーを繋ぐキャラクターとして決まっていたので、ヴァリアント(変身士)を前提とした実装となりました。制作エピソードとして、アピス召喚シーンはシナリオの「レヴのソウルを食らう」「ラデルテの泉から生まれた」という成り立ちの部分を拾って形にしたものになります。

ここに載せているフィエゴはストーリーの印象と乖離があると思いますが、その理由は『Gravity Horizon 〜 新たなる目覚め 〜』をクリアした人ならお分かりいただけると思います。
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ちなみにボスの神獣エヌマに関しては2Dデザインが固まる前からモーションの制作を始めなければならなかったのですが、設定やプロットから神々しく前足を並べて立たせたり、獣的な本能で動かすというよりも空想のスフィンクスのような知的な印象になるように動きを付けたりしました。終盤になって声が女性だったことが分かりましたが......合わせてみると新鮮な異物感というか、通常の生き物ではないようにも感じられたのでこれはこれで良かったんだなと今では思います。
※『Gravity Horizon 〜 新たなる目覚め 〜』が6周年記念イベントのエピソード0だったということは、後に6周年記念イベントポータルサイトで発表されました。

『Runaway Horizon 6th Anniversary:Ep.1』

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6周年記念イベントのエピソード1としてリリースされた『Runaway Horizon 6th Anniversary:Ep.1』はユベルとニエルの子孫であるクロカとシローの始まりの物語になっているのですが、ここで気を付けたのはプロジェクトマネージャーから言われた「子供らしさ」というキーワードでした。単純にユベル、ニエルに似せる訳ではなく、あくまで2人の物語の始まりであることを強調したかったからだと自分は受け止めています。

その後のシリーズで2人が成長していくことが決まっていたので、クロカは力の片鱗をにおわせつつ元気な子供っぽさを出し、シローは2Dの立ち絵にあるように子供らしいカッコつけたポーズを取り入れながら作成しました。2人とも持っているスキル3は、流れが対になるように作成しております。
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2人の世話役であるピラウとペルマナはストーリー中で2人を叱る場面が多かったので、スキルにはそういったところを抽出してポーズを付けています。ピラウはビシッと、ペルマナはどこか優しさ、お母さんのようなポージングになっているのが特徴です。
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3Dのイベントトップ画面は今までにも何回かやってきましたが、ここはチームメンバーがかなりこだわって、予想以上に生き生きと表現してくれました。クロカ、シローがこれでもかと駆け回る、いい意味で周りの期待を裏切ったモーションになりました。

『Extend Horizon 6th Anniversary:Ep.2』

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6周年記念イベントのエピソード2としてリリースされた『Extend Horizon 6th Anniversary:Ep.2』はクロカやシローの話から少し離れて、既存キャラであるセレナ、メアと......渋いおじさんイツァークが初登場しました。イツァークのキャラクターデザインを初めて見たときは『白猫』らしからぬキャラが久しぶりに来たので、困惑とともにどんなキャラになるのか作っている側も楽しみでした。
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セレナはとにかくカッコよく、凛々しく、華麗で美しくなるように作成しました。『白猫』のインゲームにおけるキャラクターイメージはそのお話後の設定になることが多く、セレナに関しても迷いや弱々しさを振り切った姿を表現するべく、スキル3の演技は翼を活かしたカッコ良さ重視の演出になっています。

そしてメアですが、担当したメンバーは入社して最初に担当したキャラが初代メアでした。当時も大型武器を振り回すコンセプトの動きを付けていたのですが、久々の登場&大剣キャラということで初代の動きを踏襲しつつ当時できなかったカメラを使ったダイナミックな演出も入れることができて、まさにメアと共にパワーアップした渾身の出来になっております!

イツァークは去年登場したケンセイと因縁の深いキャラという設定でしたので、ケンセイのスキルを模したスキル2やその見た目通り豪快な一撃を放つスキル3を制作することで、イツァークという新キャラクターを『白猫』らしさに繋げられるようにモーション付けを行いました。

『Crisis Horizon 6th Anniversary:Ep.3』

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6周年記念イベントのエピソード2としてリリースされた『Crisis Horizon 6th Anniversary:Ep.3』ではいよいよ大精霊アピスがプレイアブル化され、レヴと瓜二つのイズネが登場しました。作っていた当時、アピスは原型というか前シリーズからいたのでキャラクター像は掴めていたのですが、イズネに関しては「同じ顔をもつ」「本を持っている」という情報しかなく、スキルに関しては本をモチーフにしたものとなりました。できるだけプランナーやシナリオライターと情報は共有しているのですが、制作進行上まだ決めきれていなかったり新キャラであるゆえに極端な個性を出しづらい場合、モーション側で創作することでキャラクター性をアシストできればと考えて制作しています。
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『Original Horizon - 受け継がれし絆 - 』

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そしてこのHorizonシリーズの最終章である『Original Horizon - 受け継がれし絆 - 』......今見ると万全の布陣というか、クロカ、シローは6周年を飾るキャラクターなのでもちろんですが、周りを固めるジュダ、ティナ、赤髪の冒険者と、積み重ねてきた物語と皆さんの期待をすごく背負ったキャラクターたちが並んでいますね。もちろんその圧はひしひしと感じていたのでモーション班も全力投球で臨みました。
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制作の過程ではシローの動きが先に定まっていき、クロカは後追いで制作が始まりました。基本的には覚醒後の2人を表現するうえでニエル、ユベルの色(赤と青)を幼少期より強めて、先に進んでいたシローのスキル3の構図に合わせる形でクロカの制作を進めたのでそこは比較的スムーズに進行できました。どちらも成長しているので幼少期のような子供らしさを感じさせないカッコよさに着地させることができたと思います。

ティナ、ジュダはそのバックボーンに厚みがありますのでしっかりそこを表現することに努めました。ティナは初代ティナをリスペクトしつつ今までで一番力強く表現し、ジュダは暴走気味だった力を抑え込んだ万能感、それこそエフェクトブログでも語られていた「中二感」を存分に詰め込んだキャラになっております。最後に赤髪の冒険家として今回実装された我らが主人公ですが、ニエルとユベルから託された力を強調するためにスキル1は左手、スキル2は右手のみで剣を振るようにしております。これはもちろん担当者を悩ませましたが、ストーリーを大事にすることがキャラクターを活かすことにつながるので、今後も諦めることなく取り入れていきたいと思います。
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子さらいナーペルは「音のリングをよけながら戦う特殊なボス」として実装されており、その遊びが生きるようにモーションはタイミングやパターンが分かりやすいように、移動間隔等に関しても担当者がこまめに作成、調整していました。ポージング面ではストーリーで語られているように道化師っぽさを強くイメージして作成しています。


レビューを重ねていく中で、ストーリーでティナに倒されるということもあり、拳のチャージ攻撃でダウンをとれる形にしようという仕様が入ったりとクエストの中でもストーリーを活かした設定が盛り込まれているのは『白猫』の魅力......というか制作者の遊び心が垣間見える部分かなと思っています。

さて、担当者から「とにかくヤバい!」と悲鳴が上がったのがフィエゴでした。もちろんストーリー上でもヤバい奴でしたが尻尾が予想以上に長く、『白猫』でも前例のない形(ナーガ種は固定なので)でしたので、変身の仕様も相まって担当者を大いに苦労させるラスボスになってしまいました。ただその反面キレイに動かせたときは気持ちいいので引き続きこういった挑戦はやっていきたいと思います(笑)。


ちなみに鏡写しで同じ動きをしていますが、片方は時止め、片方はグラビティ(重力)で効果が違うので、どちらで動きを見ても付与効果と見た目が合う動きになることを意識してつけています。


変身で生えてくる翼の異形もそうですが、いたるところにニエルやユベル、アピスを吸収したことによる攻撃アクションを備えています。SNS等を覗くと気づいてくださった方もいて、担当者と小さくガッツポーズをしております。

2Dアニメーションツール「Spine」×「運命の選択」

ここからは前回の記事でもご紹介した2Dアニメーションツール「Spine」を用いた制作物になるのですが、おそらく皆さまに衝撃を与えたであろう「運命の選択」については各チームが制作期間を十分にはとれていない中(なんせ4ヶ月にわたる周年イベントを作り続けていたので......)、担当者間の思いと連携が想像以上の結果を生んだと思っています。もちろんモーションでやっているのはその一部ですが、緊張感や覚悟が伝わる呼吸感や瞬きのタイミング、滴る雨粒、動きが少ないものほどモーションデザイナーの力量が試される部分ですね。シローの方がクロカより落ち着いて見えるように呼吸サイクルを長くしたり......と手が込んでいます。

アイリスと赤髪の冒険家の救出シーンは、3周年の逆構図になるという鉄板で、まさにエモいシーンなので手堅く動画コンテを作り、BGMを仮当てし、Spineで動きを付けてからUnityでカメラワークを付け、各所にレビューを重ねて完成させました。アイリスの手が入ってくるタイミングやBGMに合わせて全体の絵を見せる微調整をギリギリまで行っておりました。クロカ&シローの覚醒シーンも同様の方法で制作し、リリース後は大きな反響をいただいてホッと胸をなでおろしているところです。


ところで、最近ゲーム内に実装された「動くスタンプ」もモーション班のお仕事になります。実装当初はメモリの関係であまり動かせなかったのですが、ワークフローが確立しイラストを起こしてもらう段階で動きを決め、テクスチャやUV座標を工夫することで大きく動かせるようになりました。なかなか手間がかかっておりますので有料になりますが......ぜひご覧いただけますと嬉しいです。

最後に

このブログはあくまでモーション班から見た景色なので、プランナーやシナリオライター、エフェクトデザイナーから見たらまた違う景色があったと思います。私たちは物語のキャラクターたちのように、意識を共有して奇跡を起こすことはできないのですが、各所の思いをつなげてユーザーの皆さまに届けることは今まで何度か経験しております。私たちにできることは今後も地道な1歩を繋げていくことに他なりません。そんな諦めの悪い私たちを、『白猫』を、引き続きよろしくお願いいたします。

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