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『白猫プロジェクト』モーションデザイナーブログ Vol.2
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『白猫プロジェクト』モーションデザイナーブログ Vol.2

ワクワク

2016年3月中途入社。『白猫プロジェクト』のモーションを作り続けて早3年。『白猫』のキャラクターの魅力を届けるために日々奮闘中、リーダーとしてスケジュールやクオリティ管理もしています。

今回は先日リリースされたイベント『新春! 私立茶熊学園2020 〜笑う門には青春(はる)きたる〜』(2020年1月1日〜2月28日開催)で私が担当しましたキャラクター「エレノア」のスキルについて、前回の内容を踏まえつつ、モーション制作における考え方やこだわったポイントを紹介させていただきます!

スキル作成における試行錯誤と、エレノアの「翼」問題

白猫プロジェクト(以下、白猫)』の4周年イベントで登場して以来、『#白猫シェアハウス Season3』『KINGS CROWN』といった人気イベントにたびたび登場してきたエレノアですが、性格は純粋で他者を思いやる優しさがある反面、大いなる運命に立ち向かう凛とした表情もできる女の子、というのが私の印象です。時に「サバイバル女」と呼ばれたり、バイト先でつまみ食いをしたりとコミカルな一面もありますね。
今回の役柄は生徒会長ということもあり、本来の優しくも凛と立つようなエレノアのキャラクターがそのまま合っているので、スキルはそのイメージで作成しております。

まずプランナーが決めた仕様は【範囲攻撃スキル】と【バフ効果】ということで、ここは絶対守らなくてはいけません。もちろん相談可ではありますが、プランナーが性能面や使用感を決めて、2Dデザイナーが立ち絵を描き、モーションデザイナーはプレイしたときの気持ちよさを追求する......というように、各セクションがしっかりその役割を果たすことで互いが最大限に動くことができます。というわけで、仕様に沿ったスキルを作っていきます。
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アクションスキル1

スキル1は立ち絵にもあるように、エレノアが馬に乗って旗を掲げるという......いかにもの表現ではありますが(笑)、今回のエレノアの役どころと合致するのであえて王道の表現から外すようなことはしません。スマホゲームゆえ非常に短い尺でそのキャラらしさを表現しなければならない『白猫』にとって、この「~っぽさ」というのは意外に大事なことだと思っています。

旗を掲げるという動きが決まったらキーポーズを基準にして、3Dソフト上でカメラを付けていくのですが、ある程度決まりのようなものがあります。たとえば『白猫』のようなアクションゲームの場合、最後に【ヒット】や【ダメージフィールド】などの効果を見せないといけないので、大抵は引きで、俯瞰的に捉えることになります。そういう時に、はじめは寄りで煽りにすると絵の印象がガラッと変わって、短い尺でもインパクトを与えることができます。さらにそこに旗を入れ込むことによって、見ている人の視線誘導を促すことができるので演出が分かりやすくなるというわけです
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アクションスキル2

仕様が【移動操作ビーム】ということだったので、スキル仕様を満たした上でビジュアル的にも整合性を取りつつエレノアらしさを出すため、初案では翼で浮かせました。しかし......シナリオ班からNGが入ってしまいました。その理由は「エレノアの翼の動きはもともと『光の王』としての力なので、その力を失った今のエレノアには相応しくない」というものでした。「確かに!」。

作っている時は「らしさ」と思って翼で飛ぶ表現をさせていたのですが、『光の王』の力を失っているというキャラクター設定はエレノアというキャラクターを形作る上で大切な要素であり、それを蔑ろにするわけにはいきません。とはいえ【移動操作ビーム】というスキル仕様とビジュアルで整合性をとるとなると、エレノアを浮かせたい。何かエレノアを浮かせる手立てはないものか......」とシナリオ班に相談したところ、シナリオ班から舞い降りてきた案が【馬の鞍は魔術品で、それによって空を飛べる】というものでした。そう、序盤のシナリオに加えられた1節にはこういった理由があったのです!(......これシナリオ開発秘話ですね)。
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キャラクター性を大切にしつつスキル仕様を満たし、ビジュアルとしての整合性もとる。これを達成させるためにセクションを超えて協力し合う、こうしたフレクシブルさは『白猫』チームならではだなと改めて思いました。
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アクションスキル3

このスキルが今回のメインディッシュと言えるかもしれません。スキル内容はシンプルに【前方攻撃】なのですが、演出内容の指定があり、「2017年の私立茶熊学園で登場した『茶熊ティナ』のような仲間と一緒に撃つ」というものでした。『茶熊』は通常の『白猫』からスピンオフした学園モノのイベントですからやはり熱いストーリー展開で、ぐっとくるものがあり、ティナのスキル3にも多くの反響をいただきました。なので今回はそれを踏襲しつつもエレノアらしい演出になるように制作していきました。

動画を見ていただくと分かるのですが、最初に作ったのは騎乗したまま空を駆けて発射するというものでした。空に飛ばすということは、配置もカメラワークも自由になるので、ある意味作りやすい流れと言えます。ただ作ってみると、いくつか問題が見えてきました。まず要素がスキル2と似てしまっているところ、控えキャラで円状に並ぶという入り方は、やはりティナを彷彿とさせてしまところなどです。なので、別の切り口からもう一度考えてみました。

こちらが作り直した動画になります。もう全く違う印象になったかと思うのですが、いかがでしょうか。エレノアには優しく包み込むようなポーズをさせて、周りの仲間たちは寄り添う形で配置させてみました。着想は戦隊モノで最後に撃つでっかいバズーカだったり、魔法少女モノにある合体攻撃、いわゆる「アツい」展開です。特に動画の中間で横一線に見せるところは縦画面という制約を受けつつなんとか入れ込めたかなと思います。控えキャラはプレイヤー次第なので、この動画とは違う立ち位置かもしれませんが、寄り添い方で個性が出るようにポーズ付けを行っております。

キーとなる絵の重要性を踏まえつつのブラッシュアップ

ブラッシュアップについてはまとめてお話しますが、おおよそ気を付けているところは同じで、フィジカルとして違和感のない動きができているか、キーとなる絵は最高にかっこいいか、になります。

スキル1であれば旗がたなびいているカット頭(先頭のコマ)とカット終わりの絵がそれにあたるのですが、カット終わりの絵は旗を逆にしております。もともと右手で持っているので、仮モーションでは前方でたなびかせていましたが、やはり最後の絵として後ろにたなびくのが絵として自然になりそうだったので、半ば無理やりですが、途中で左手に持ち替えさせて絵作りを優先させました。これはキーとなる絵がこの演出のトップクオリティを決めてしまうためです。この後、最高の絵と絵の間をつなぐ行程になりますが、トップクオリティが低いと、いくら間を上手につないだところでトップクオリティを超えることはほぼありません(稀にありますが)。なのでキーとなる絵を優先させることが大事だと私は考えています。
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スキル2については大きな変更はありません。動きの構成もスキルの使いやすさを重視しているのでシンプルなのですが、シンプルがゆえに飛んでいる馬の浮遊感やビタ止めにならないように「いい感じ」に揺らすという部分はなかなか難しいなと改めて感じました。また、大きく動かすところは魅せやすいのですが、基本的に動きがなく止まっているところはCGであることが如実に伝わってしまうので、特に気を付けなければいけません
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スキル3はキーとなる絵がほぼ決まっていたので、トップクオリティを上げるというより、画面内の要素を破綻なくつなげていくところに気を付けました。エレノアの顔が手前のキャラに被ってしまわないように、横並びのシーンはできるだけ長く見せて発射のタイミングで込み合っている立ち位置になんとか移動させるなど、許容と思える範囲で工夫しながら絵に入れ込んでいきました。

以上、今回は『新春! 私立茶熊学園2020 〜笑う門には青春(はる)きたる〜』のエレノアについて書きましたが、キャラクターや制作者によってもまとめ方が違うので、これは1つの作成例となります。逆にポイントは抑えつつ自由な発想で考えていけるのも『白猫』がここまで広がりを見せている理由だと思うので、これからも纏まることなく、いい意味で広げていけたらと思っています。

次回は2Dアニメーションソフトウェア『Spine』を用いたイベントトップ画面の作成についてお話しする予定です。お楽しみに!