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『白猫プロジェクト』エフェクトデザイナーブログ Vol.7
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『白猫プロジェクト』エフェクトデザイナーブログ Vol.7

マル

2014年9月中途入社。『白猫プロジェクト』デザイナーチームのマネージャーとして『白猫』のエフェクトの品質管理からチームメンバーのスケジュール管理まで、もろもろ担当しています。

白猫プロジェクト(以下、白猫)』エフェクトチームの品質管理をしています、マネージャーのマルです。この頃は在宅勤務の日が多く、メンバーとのコミュニケーションはもっぱらオンライン会議(Google Meet)やSlackでしています。

私たちの業務に関して言うと、基本的にはプランナーがまとめた仕様書に沿ってエフェクトを作っていくのですが......スマホゲームにはデータ容量の問題がつきまとうため、ルック(見た目)さえ良ければOK!というわけではありません。ルック的にもデータ容量的にもプランナーの企画意図をくみ取ったエフェクトを作っていく必要があります。
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というわけで今回は、
1 プランナーの意図をくみ取ったエフェクトを作るために必要な力
2 『白猫』エフェクトチームの擬音力
3 『白猫』エフェクトデザイナーに必要なスキル
について、お話ししていきます。

働く場所がオフィスであろうと自宅であろうと、ユーザーさまに楽しんでいただける『白猫』を作りたいという私たちの想いは同じです。エフェクトの作り方も基本は変わりませんので(動画をSlackに貼ってイメージを共有する機会は増えましたが)、これまでの連載と同様に読み進めていただければと思います。
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1 プランナーの意図をくみ取ったエフェクトを作るために必要な考え方

『白猫』エフェクトデザイナーの「仕事の流れ」は、Vol.1の後半でヤマさんがまとめていますので、ここではより具体的な作り方についてまとめていきます。

プランナーからのエフェクト制作依頼は、基本的に以下のような文字情報で来ます。
◆ キャラクターの属性:炎
◆ スキル仕様:前方範囲攻撃
◆ HIT数:5HIT
◆ HITサイズ:10 × 10
◆ 尺:3秒
※ 実際の項目はもっとありますが、ここでは「おおよそこんな感じ」とイメージしていただければ十分なので、割愛しています。
※ 新イベントの概要やキャラクターに関する説明はこの前段階で共有されています。

このほか、アクションスキルに関しては「ちゃぶ台返しのように地面をめくり上げる」などと明確なイメージが書いてあることが多いのですが、スキルによっては「基本はこういうスキルで、あとはキャラに合う3秒くらいの演出を」という感じでお任せされることが多く、けっこう自由に作らせてもらっています。

ちなみに "キャラに合う3秒くらいの演出" の例を挙げると、
○ 執事キャラ → 誰かにご飯を運ぶ
○ 社長キャラ → 社長椅子に座り、くるっと回る
など、要は一瞬でそのキャラらしさを表現できるような演出になります。軸となる動きの部分はモーションデザイナーが作り、それをどう見せるかはエフェクトデザイナーが考えるという感じです。
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さて、以上を踏まえて、本題に入ります。
「プランナーの意図をくみ取ったエフェクトを作るために必要な力」とは、どのようなものでしょう。

これは、プランナーからのエフェクト制作依頼に対して、ルックとデータ容量の両立が実現可能か考えて、形にする力のことを指します。プランナーが思い描くルックをそのまま作れたら理想的ですが、スマホゲームをストレスなくプレイするために使えるデータ容量は非常に限られています。そこでプランナーの想いを形にしつつ、データ容量をオーバーさせないように表現し直し、着地させる力が不可欠なのです。
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たとえるなら、仕様書に「玉を10個出すスキル」とあっても、本当に10個出すと重くなってしまうものなので、なるべく玉を速く飛ばすことで玉の数を多く感じさせるような演出にしたり、ゲーム内での最大表示個数を制限することで重たくなるのを緩和したりして、プランナーがやりたいことを形にしていくという感じです。
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具体的な進め方ですが、最初にモック(作り込まない大まかなエフェクト)を作ってみて、データ容量に大きな問題がないか、確認します。ちょっと重くなりそうだな、と思ったらしかるべき人に相談して、「これで実装して、サクサク動くか」と相談します。
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(※ 上記の画像3点は、今回のブログ用に一例として作成されたもので、『白猫』に実装されているものではございません)。

逆に、その相談をしないまま作ってしまうと、メモリオーバーのためにいざ実装するときに動かず作り直しに......といった事態に陥ることもあります。そうなりますと、関係する様々な職種の方(プランナー、エンジニア、モーションデザイナーなど)に集まってもらい、ミーティングをして構成から作り直し、みんなの作業が巻き戻り、自分も大変......というツライ状態になってしまいます。

今は新卒社員が入社して間もないタイミングなのであえて書きますが、入社間もない方は遠慮がちなところがあります。最初にちゃんと確認しないまま作り進めますと、後々みんなが困ることになりますので、不明な点があるときは気軽に話しかけてほしいと思っています。

そのほかデータ容量に関係なく、仕様書を見たときに「ヒット範囲が狭いので、ビジュアルにしたときに弱くなるのでは」などと思ったまま制作を進めると、案の定、ルックチェックで「範囲が狭く、弱く感じられるので修正を......」と言われるようなことになりますので、最初の確認は本当に重要です!

プランナーはデザイナーではありませんので、言うならばルックの理想形を私たちに依頼しています。それに対してどう表現するかはエフェクトデザイナー一人ひとりが考えて、形にしていく必要がありますので、確認や相談はしっかりした上で制作を進めたいと思っています。
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2 『白猫』エフェクトチームの擬音力

これも「プランナーの意図をくみ取ったエフェクトを作るために必要な力」に通じる話なのですが、最近、炎属性のキャラなのにエフェクトやSE(効果音)が炎っぽくなくて、担当のデザイナーに修正をお願いしたことがありました。
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新キャラの「イツァーク」は、炎属性でドラゴンに乗った、いかにも強そうなキャラです。武器をブンブン振って移動するのですが、チームメンバーが制作した初稿は斬撃の鋭い音がしていました。

重たい武器を振り回すイメージをもっと出したいと思い、私が伝えたのは「キンキン、シュピンシュピンじゃなくて、ここはボワン、ブオワンじゃない?」といった擬音語でした。メンバーにはそれでしっかり伝わり、完成したのがこちらになります。


『白猫』エフェクトデザイナーはSEの入れ込み作業も担当しているので、擬音力も問われます。私たちは「シュピンってなったらここでドカンだよね」とか「シャッとした感じ、シャッとした」などと、擬音語しか喋っていないときもあります。ちなみに先ほどの「ボワン、ブオワン」は、言い換えると「炎をまとって移動するので、音に風がもっと含まれて......」というような説明になるのかもしれませんが、「ボワン、ブオワン」のほうが、修正ポイントの核は伝わります。

3 『白猫』エフェクトデザイナーに必要なスキル

今回は「プランナーの意図をくみ取ったエフェクトを作るために必要な力」と「擬音力」についてお話ししてきましたが、それ以外にもエフェクトデザイナーに必要なスキルはたくさんあります。仮に、必要なスキルの合計を10だとするとどうなるか、ちょっとまとめてみました。

◆ コンセプチュアルスキル:3
 ∟ 問題解決能力(プランナーの意図をくみ取ったエフェクトを作るために必要な力)
 ∟ 危機管理能力(他セクションと連携して、リリースのスケジュールを守る力)

◆ 自分が作りたいと思うエフェクトを作る技術 3
 ∟ いろんなソフト(Unity、Autodesk Maya、Adobe Photoshop、Illustrator、AfterEffects、Substance Designerなど)を使って効率よく制作し、表現する力

◆ 中二力:3
 ∟ これについては、Vol.6をお読みいただければと思います。

◆ 熱意:1
 ∟ たとえスマートに進行しなくても「絶対に作り上げるんだ、最高にかっこいいビジュアルを!」という熱意さえあれば(笑)、乗り越えられると思います。
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ちなみに、この連載でおなじみのヤマさんに聞いてみたところ、
◆ エフェクトへの興味:3
◆ 中二力:3
◆ 人間力:3
◆ 知識や画力:1
とのことで、「エフェクトへの興味があればどんどん勉強していくかなと思って」という、核心をついたコメント付きでした。たしかに、エフェクトへの興味も重要だと思います。

次回もお楽しみに!