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『白猫プロジェクト』エフェクトデザイナーブログ Vol.5
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『白猫プロジェクト』エフェクトデザイナーブログ Vol.5

マル

2014年9月中途入社。『白猫プロジェクト』デザイナーチームのマネージャーとして『白猫』のエフェクトの品質管理からチームメンバーのスケジュール管理まで、もろもろ担当しています。

ヤマ

2015年2月中途入社。『白猫プロジェクト』のエフェクトを作り続けて早5年。『白猫』のバラエティ豊かなエフェクトを作るのが好きで、リーダー職も務めてます。

白猫プロジェクト(以下、白猫)』エフェクトデザイナーのヤマです。「『白猫』のエフェクトとは」に始まり、「他職種と連携した仕事の流れ」「具体的な業務内容」「チームメンバーのこだわりポイント」などをお伝えしてきたこのブログも、早いもので5回目となりました。そこでこれまでの記事を見返したところ、【完成型や完成型に限りなく近い】映像や画像をもとに解説していたことに気づきました。

でも、そこに至るまでにはかなり細かな調整をして、関係各所に様々な確認をしているんですよね......。そして、そういう調整や確認の積み重ねによって『白猫』のエフェクトが完成し、ユーザーさまにお届けできる品質になっているのです!

というわけで今回は、「エフェクトが完成するまでのチェックポイント」という視点から、『白猫』エフェクトチームの品質管理を一手に担うマネージャーのマルさんに話してもらうことにしました。

ちょっと専門的な話になっていますが、『白猫』およびスマホゲームのエフェクト制作に興味を持っている方はもちろん、「エフェクトのクオリティを上げるコツを知りたい」という方にもご参考にしていただけるのではないかと思います!
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※ 前提として、『白猫』のエフェクトはUnity2018Shuriken Particleで制作しています。『白猫』のシステム的に現代風の新しい手法を取り入れるのは難しいため、今あるベーシックな表現で創意工夫しながら制作しています! モデルの制作ツールはAutodesk Maya、テクスチャ制作方法に関しては、人それぞれですがAdobe Photoshop、Illustrator、AfterEffects、Substance Designerなどを使用しています。

『白猫』エフェクトが完成するまでのチェックポイント by マル

ヤマさんから「『白猫』のエフェクトが完成するまでのチェックポイントをまとめて紹介したい」と相談されて、いざ書き出してみると結構な量があり......今回から数回に分けてお伝えすることにしました、マルです。

まず『白猫』のキャラクター周りのエフェクトは、5秒程度の短いものが基本です。私の役割は、チームメンバーが作ったエフェクトを繰り返し再生して、デザイン面からデータ容量の面まで最良なものにできるよう、修正ポイントを洗い出していくことになります。おおよそルック(見た目)まわりのチェックが7割、データとして重くないか、バグらないか、といった観点のチェックが3割という感じです。

ヤマさんのようなベテランデザイナーが作ったものは2〜3回の再生でOKを出すことが多いです。でも新卒社員や入社して間もない中途社員の場合、まだまだ改善すべきポイントが多いので、確認の時間は長くなります。
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5秒はあっという間で、ユーザーさまの目にも一瞬しか入らないものだと思います。でも、それが仮に "物理的におかしな表現" だと違和感が残ったり、"これまでの表現と比べてちょっと物足りないもの" だったりすると、『白猫』の世界観が崩れてしまいます。

と、文字で書いてもイメージしづらいと思いますので、私がチェックをするときに気にしているポイントを映像や画像と合わせて解説していきます!

Check 1【パッと見た印象】

まずはキャラクターのイラストの印象からエフェクトの制作をすることが多いです。更に、ストーリーやキャラクターを理解して、エフェクトの細部を詰めていきます。

たとえば、「ウェルナー」だとダークヒーローらしい外見からぱっきりと色合いを出したアメコミ風の表現に寄せてみたり、「カルマ」はハッカーという設定がありますので、デジタル表現を多用しています。そのキャラクターらしいエフェクトになっているかどうかを客観的に判断します。

Check 2-1【エフェクトの消し方について】

『白猫』のエフェクトはリアルな表現ではないのですが、ある程度デフォルメされていたとしても物理法則は無視できません。

たとえば1つの爆発表現をとってみても、要素を分解して考えます。最初に光って、炎が出て、最後に燃えたときの黒煙付近を覆って火の粉が舞う......などなど。物理法則に反するような、意味のないエフェクトを作らないことが重要です。

以下の【火の粉】や【煙】の消し方についても同じようなことが言えます。

【火の粉の消し方】
A 透明度で消した火の粉
B 徐々に小さくして消した火の粉

光が弱くなると小さくなるので、火の粉も同様に徐々に小さくしながら消しています。

【煙の消し方】
A 透明度で消した煙
B 徐々に小さくなって消した煙
C 徐々に大きくなって透明度で消した煙

見た目的にはどの煙のエフェクトも問題ないかもしれません。しかし、然界の煙は拡散しながら消えますので、それに即する表現にして、透明度を徐々に上げながら消しています。

表現としては些細なことではありますが、要素を理解しながら作ることによって、デフォルメでも違和感のないエフェクトになります。そういう細かいところもチェックポイントの1つです!

Check 2-2【エフェクトの色が濁っていないか】

せっかくかっこいいエフェクトを制作しても、色が濁っていると汚い印象になってしまいます。そのためにもエフェクトの消し方には細心の注意が必要です。


以上、一気にミクロな表現方法の話になりましたが(笑)、こういうことを積み重ねて『白猫』はできています。

業界ではよく言われることですが、そもそも映像は静止画の連続でできていますので、仮に1枚でも余計な静止画が入っていたりすると、おかしく見えるものです。そういうものを1枚ずつ調整したり間引いたりしていく必要があります。

最近はゲーム内にスクショ用のカメラ機能が入ったので、さらに注意をして制作しています。
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ゲームに熱中しているときは気づかれないレベルの表現かもしれませんが、一時停止した時などにアラが出てしまうものです。そして、一つ一つの表現がしっかりしていると、全体のクオリティが上がるものです。もちろん、制作時間は限られていますので、すべてを完璧にするのではなく、目立つところはしっかり、ほぼ目立たないところは力を抜く、といったバランスも大切にしています。

次回は「プランナーが求めている意図をくみ取れているか」「エフェクトをより良くするためには」「エフェクトデザイナーに必要なもの」などについて解説する予定です。お楽しみに!