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『黒ウィズ』デザイナーブログ Vol.4【新卒入社 / 2Dイラストレーター編】
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『黒ウィズ』デザイナーブログ Vol.4【新卒入社 / 2Dイラストレーター編】

2D
イラストレーター

乳母さん

白猫黒猫本部

2016年3月、名古屋造形大学マンガコース卒業。2016年4月、コロプラに新卒入社。配属当初から『軍勢RPG 蒼の三国志』『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』などの2Dデザインを担当。

クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ(以下、黒ウィズ)』のデザイナーブログVol.4のバトンを受け取りました、2Dイラストレーターの乳母と申します。

私は2016年4月に新卒デザイナーとして入社しまして、ひと通りの自己紹介は以前こちらでしていますので、今回はキャラクターデザインについて、より具体的な制作過程や、絵を描くときに気をつけているポイントなどをお話しできればと思います。
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1 『黒ウィズ』の「仕様書」と「初稿ラフ」

コロプラの2Dイラストレーターは、イラストディレクターがまとめた「指示書」に沿って絵を描いていきます。そこには、基本的に以下のような情報がまとめられています。

◆ 人物概要
 ∟ キャラクター設定。これまでのストーリーや今回のシチュエーションなど

◆ ざっくりとしたイメージ
 ∟ 構図、配色、衣装、武器、背景、雰囲気など

文字だけでなく絵や写真もたくさん載っていて、毎回『黒ウィズ』チーム(プロジェクトマネージャーやプランナー、シナリオライターなど)の思いがぎっしり詰まっているのを感じます。

このような指示書をもとに、イベント『ARES THE VANGUARD 英雄大戦』(2020年3月19日~4月16日開催)用に私が描いたキャラクター「ヴァッカリオ」の初稿ラフがこちらになります。
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このブログを書くにあたって、参考資料として『Be-ars』編集部にこのラフを送ったところ、「これ、ラフですか?」と聞かれたのですが......ラフです。

ラフというと、もっとざっくりとしたものをイメージされるかもしれませんが、『黒ウィズ』ではこれくらい描き込んだ状態が初稿ラフになります。というのも、ラフを見て「清書に進めてOK」というジャッジをするのはデザイナーではなく、プロジェクトマネージャーやプランナーといった絵を描かない職種の方になるので、色も含め、完成形のイメージをしっかり共有できるようにする必要があるからです。なみにこの初稿ラフまで描き終えると、全作業の半分くらいまで進んだなと感じます。

そしてOKが出たら、ラフをなぞるような形で清書していきます。使用しているツールはCLIP STUDIO PAINTで、私は線を引きやすいように、たびたび回転させながら描き進めます。以下の動画に清書の過程をまとめましたが、早送りしても10分強になってしまいましたので、こちらはお時間のあるときにご覧いただければと思います。

清書の線を引くときは、線の強弱というか、太いところと細いところのバランスをとりながら、見ていて気持ちがいい線にできるといいなと思いながら描いています。基本的には何本かの線を1本にするようなイメージで線の数を減らしていきつつ、でも「ここは入れておこう」というものはきちんと残していくという感じで、ラフの勢いを消さないように気をつけています。とくに顔のパーツに関しては、線を引く場所が1ピクセル違うだけで表情が変わってしまいますので、神経を使います。

2 『ARES THE VANGUARD 英雄大戦』のヴァッカリオの描き方

ヴァッカリオはギリシア神話のディオニソス(豊穣とブドウ酒と酩酊の神)の力を宿す、かつてのヒーローで、今は特殊部隊の隊長でありながら飲んだくれ......というキャラクターです。以前のイベント『ARES THE VANGUARD』(2019年10月9日~11月14日開催) から約4か月ぶりの再登場でした。

今回のイラストを描くにあたり、イラストディレクターから言われていたのは「ヴァッカリオは最強の座に戻る。神々しい存在になるから、マントの内側も光っていてほしいし、背中からも光を受けているような印象にしてほしい」といったことでした。そこで私は「あなたは今回、光なんだよ」というような思いを込めて、念じるような気持ちで描いていました(笑)。ただ、光源がいくつもあると清書するときに苦労しますので、ラフの段階でいい塩梅を見つけるまでずっと模索していました。

ライティング(光の描き方)はとても重要なので、私は細部を描き進める前に、グレーで、光と影の場所をざっと決めていきます。おおよそですが、キャラクターの体、顔、髪などを線でざっくりと描き終えて、ある程度「かっこいい」とか「可愛い」と思えるくらいになってきたタイミングでライティングを決めることが多いです。それからキャラの髪の毛や肌に色をつけて、影色を調整して、補色を決めていきます。

ここで順不同になりますが、細部の描き方で気をつけたポイントなどを書き出してみようと思います。
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1 目について
前回は「飲んだくれの、地に落ちたヒーロー」という設定だったのでハイライトを入れなかったのですが、今回は「最強のヒーローに戻って、みんなの光になる」ということでしたので、精気を取り戻すようなイメージで目にハイライトを入れました。ハイライトのほか、まつ毛の入れ方も結構悩んだ記憶があります。

2 口について
こちらも線を引く場所でかなり印象が変わるパーツですが、単に線を引けばいいというものではなく、線を引かずに影で作るほうがいいところもあったりします。そこでまずは全部線で引いてみて、なんか違うな......と思うところがあれば消して、影色で表現し直すというようなことを繰り返して仕上げています。

3 鼻について
鼻も難しいパーツだと思います(男女ともに)。もちろん描かないといけないのですが、まり印象は強くしたくないので、色トレスをしたりして、違和感のない塩梅を探っていきます。

4 髪の毛について
ヴァッカリオを描くときはなるべく大まかな毛束だけを線で描いて、細かい髪のレイヤー表現は塗りで表現するように心がけています。また、今回はふわっと柔らかい感じが出るといいなと思ったので、なるべく一本の線で、つぎはぎ的なところがあまり見えないように、曲線がきれいに出るようにしています。ちなみに、進化カードでヒーローの姿になっているときは髪の毛が内側から光ります。
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5 筋肉について
常に人体の資料を参考にしながら描いています。解剖学的なものからマッチョなお兄さんの写真まで見て、このキャラにはこういう筋肉がいいな、という落としどころを決めて、描き込んでいきます。

6 衣装について
現実世界にある服の中で、そのキャラが着るものに近しいものをイメージして、この素材でこう動くとこういうシワができるはず......ということを考えながら線を引いたり色を塗ったりしています。ヴァッカリオのファッションに関しては、海外のデザインを参考にすることが多いです。

7 マントについて
実は、今回一番苦労したのはマントでした。指示書を受け取ったときに「マントがポイントの絵になるので、なびきに気をつけてください」とか「マントをかっこよくしてください」と、マントに対する思いを何度も言われましたので、"マントのかっこよさってなんだろう。風が吹いたときに、どんなふうに動くとかっこいいのかな" とずっと考えていました。"誰か、そこにマントを着て立ってくれ" と思いながらラフを描いていて......難しかったですね。
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3 この4年間を振り返って思うこと

私はもともと絵が上手ではないので、それでもなんとかいいものを描きたいなと思って毎日練習をしてきていて、気づいたら入社から4年が経っていた......という感じです。絵作りで悩むところがあるときは、生活する中でもずっと考えていますので、たとえば風に揺れるカーテンを見て、"長めのスカートがなびく様子はこういうふうに描けばいいんだな" とか見ていることが多いです(笑)。顔を描く工程が一番好きですが、キャラの表情がうまく出ないと悩みますし、でもそこを考えるのが一番楽しい部分というか......毎日難しいなと思っています。

とにかく絵が好きなので、暇があれば Pinterest で国内外の様々なジャンルのイラストを見たり、YouTube で CLIP STUDIO PAINT や Adobe Photoshop を使ったイラストのメイキング映像を見たりしています。そのとき、ツールの使い方を参考にするというよりは、"こういうところにこだわっているんだな、自分も気をつけよう" と考えるきっかけになることが多いです。

おまけとして、設定画を掲載させていただきます。
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『黒ウィズ』については、以前ユーザーさまからコロプラのカスタマーセンター宛に、自分が担当した2体のキャラクターについて、「これはご担当が同じでしょうか」というお手紙をいただいたことがあります。細かいところを見ていただいていて、ありがたく嬉しかったのですが、どきりとしました(笑)。

最後にもう一つ、おまけの画像(Be-ars 編集部がイメージしていた「ラフ」)を載せます。ヴァッカリオについてはこの状態のものは残っていないので、『決戦のドルキマス 宿命の血族』の「ジーク」の制作過程を並べてみました。
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今後も一つ一つ心を込めて描いていきますので、楽しんでいただけるといいなと思います。