コロプラ・ベアーズ 面白いものを作りたい仲間が集まるベアーズ

『黒ウィズ』デザイナーブログ Vol.1【3Dモデラー編】
TEAM

『黒ウィズ』デザイナーブログ Vol.1【新卒入社 / 3Dモデラー編】

白猫黒猫本部

3Dモデラー

2017年4月に新卒デザイナーとして入社しました、章(shou)です。2020年3月に7周年を迎える『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ(以下、黒ウィズ)』でモデラーを担当しています。

この「デザイナーブログ」では、『黒ウィズ』のビジュアルがどんなふうに作られているのか、というところを各セクションのデザイナーがリレー形式でお伝えしていきます。僕は3Dモデル担当ですが、Vol.2以降では2D/3Dイラスト、モーション、エフェクト、2D/3D背景、UI、お知らせ担当など、いろんなデザイナーが登場する予定です。
te_20191225_01_kuro_Designer_BLOG_01_800_310.jpg
今はちょうど「新卒採用2021」が始まったところなので、僕は以下の3点についてお話ししようと思います。

1 中国から留学し、日本のスマホゲーム会社に就職した理由
2 『黒ウィズ』3Dモデルの作り方
3 漫画を描くことと、ゲームを作ることの違い

3Dモデラー志望の方に限らず、『黒ウィズ』の作り方に興味がある方はもちろん、就職・転職について考えている方のご参考になれば幸いです。

1 中国から留学し、日本のスマホゲーム会社に就職した理由

僕は中国出身で、大学卒業までは中国にいました。でも昔から日本のアニメや漫画が好きで、とくに漫画家の井上雄彦さんが大好きだったので、自分も漫画家になりたいと思って来日しました。( ↓ 当時、井上さんの影響を受けて描いたカットです。)
te_20191225_02_kuro_Designer_BLOG_01_800_533.jpg
まずは語学の専門学校で日本語を学び、それから漫画の専門学校に通いながらいろんなジャンルの作品を作っていたのですが......続けるうちに、卒業と同時に漫画家として暮らしていけるような人はほとんどいないということに気づきました。当初は考えが甘かったと思います。ただ、日本で過ごすうちに、漫画家になる夢を持ちながら、日本社会で生活したいと思うようになっていました。僕は日本のカルチャーがすごく好きだからです。

そこで、日本で就職活動をすることにしました。アニメや漫画に加えて僕はゲームも好きなので、ゲーム関連の仕事をしたいと思い、業界を絞って就職活動をしました。

一般的に、スマホゲーム会社はコンシューマゲーム会社と比べて開発ペースが速いと言われています。僕は絵を描いたり物を作ったりするのが速いので、それが活かせるのではと考えてコロプラの採用試験を受けたところ、内定をもらうことができました。( ↓ 様々なジャンルの漫画を描いていて、コロプラ向けのポートフォリオにも入れていました。)
te_20191225_03_kuro_Designer_BLOG_01_800_533.jpg
新卒研修の内容は毎年少しずつ変わるため、今後がどうなるかはわかりませんが、僕の代のデザイナーは入社後3か月間の新卒研修がありました。そこで2D、3Dソフトの入門知識を勉強し、配属後、さらに各セクション(モデル、モーション、エフェクト)で3か月ずつ研修を受けました。その中で僕はモデリングが一番面白いと思ったので、「モデラーになりたい」と配属希望を出しました。ちなみに漫画の専門学校では、手描きとAdobe Photoshopで描いていたので、僕はコロプラに入社するまで 3Dソフトを一度も触ったことがありませんでした。でも今は Autodesk Maya を使って、3Dモデラーの仕事をしています。

2 『黒ウィズ』3Dモデルの作り方

僕が『黒ウィズ』チームに配属されたのは5周年イベントを終えたくらいのタイミングでした。そこでは当然のように『3Dモデルの作り方に関するルール』が書面にまとまっていたわけですが......その資料は日本語でした。僕は今ほど日本語がわからなかったので、時間をかけて読みつつ、わからないところは上司に確認しながら理解していきました。

ちなみに日本語に関しては、入社当初は日常会話や基本的な意思疎通ができるものの、ペラペラ話せる感じではありませんでした。でも仕事はすべて日本語で行われるので、自然と聞き取り力がついて、語彙も増えていきました。

『黒ウィズ』では、クイズに正解するとキャラと演出(モーションやエフェクト)が出るイベントがあります。そのため単に3Dモデルを作ればいいのではなく、"演出が映える3Dモデル" を作る必要があります。さらにイベントの世界観も毎回変わるため、同じキャラにしても、どこに注力して3Dモデルを作るべきか、プランナー、ディレクター、シナリオライター、エフェクトデザイナー、モーションデザイナーの合意を取りながら作っていく必要があります。

ここで、1キャラの3Dモデルが完成するまでのワークフローをまとめてみます。

1 2Dデザイナーが描いたイラストと関連資料を確認

te_20191225_04_kuro_Designer_BLOG_01_800_320.jpg

2 「仮モデル」作成。各セクションとイメージが合っているか確認

te_20191225_05_kuro_Designer_BLOG_01_800_900.jpg

3 「本番モデル」作成と特定な表現の検証(例:表情検証)

te_20191225_06_kuro_Designer_BLOG_01_800_823.jpg

4 モーションデザイナーのコンテにイメージを合わせる

te_20191225_07_kuro_Designer_BLOG_01_800_533.jpg

5 Unityに入れ込み、エンジニアと最終データチェック

te_20191225_08_kuro_Designer_BLOG_01_800_332.jpg

僕が3Dモデラーとして特に大事にしているのは、形、色、骨の3点です。「形」に関して言うと、色をつけずにシルエットだけ見て「これは◯◯なキャラ」とわかれば、それはいい3Dモデルです。「かわいい」「明るい」「のんびり」など、いろんなキーワードが浮かぶようなシルエットが理想的です。
te_20191225_09_kuro_Designer_BLOG_01_800_224.jpg
さらに「色」をつけることで、そのキャラの印象をよりはっきりと表現していきます。デザインの細部にこだわることもしますが、やはり影響が多い部分、全体の色味のつけ方には気をつけます。
te_20191225_10_kuro_Designer_BLOG_01_800_272.jpg
また「骨」に関しては、いろんなポーズをつけて、モーションデザイナーが動きをつけやすいか、不具合がないかチェックします。僕の場合、テストとしてキャラの個性に近いポーズをつけてみるのですが、そのときは漫画を描いていたときの知識や考え方が生きているように感じます。
te_20191225_11_kuro_Designer_BLOG_01_800_617.jpg
そして、スマホゲームはデータ容量がかなり限られているので、骨の数、ポリゴン数、テクスチャ容量には神経を使います。あまり見えないところはシンプルに作り、顔などよく見えるところは力を入れる感じです。ちなみにどうしてもデータ容量を超えてしまいそうな場合は、モーションやエフェクト、背景デザイナーなどの他セクションのデータを軽くしてもらうことで、合計がデータ容量に収まるようにしています。
te_20191225_12_kuro_Designer_BLOG_01_800_533.jpg
最後に、Autodesk Mayaで作った3DモデルをUnityに入れ込み、質感設定と細かな調整を行います。キャラが背景やエフェクト、モーションと一緒になったときに見栄えとして問題がないか、確認します。あと、実際にゲームに入れ込んだときに快適に遊べるかどうか、スマホ端末でプレイして不具合がないかチェックします。

3 漫画を描くことと、ゲームを作ることの違い

今回、改めて業務内容についてまとめてみたところ、自分以外のセクションのことを考えながらモデリングしている時間が多いことに気づきました。漫画は基本的に自分一人で作るものですが、ゲームはみんなで作るものなので、他のクリエイターが作業をしやすいように仕事を進める必要があります。

一方で、ユーザーさまの視点からすると、『黒ウィズ』が大勢のクリエイターによって作られていることを感じたいわけではなく、『黒ウィズ』ならではの世界観、統一感を求められていると思います。だからいろんな職種のクリエイターがバラバラに作ったものを、いかに一つに見せて、世界観を守るか、というところは本当に大事にしないといけないと思っています。
te_20191225_13_kuro_Designer_BLOG_01_800_600.jpg
僕は個人的に、一つ仕事が終わるごとに「前のものと比べてどうだったか」と反省するようにしています。それから、"自分なりの新しいやり方" をいつも模索しています。仕事をする上では、守るべきルールや枠といったものがあるわけですけど、その中でどう個性を出すのか、考えています。

ここでいう "個性" とは表面的なものではなくて、一つのゴールに向けて仕事をするときに、"プロセスを変えて取り組む" ということです。その過程で、新しい作り方を見つけて面白いと感じたり、より速く作れる方法を見つけられたりするんですよね。たとえ単調になりがちな業務があったとしても、工夫して取り組むことで何かが変わってくると思うので、自分以外には見えない部分ですが、制作工程も大事にしながら仕事をしています。

以上、3Dモデラーの章がお伝えしました。
次回はモーションデザイナーの荒井さんが登場予定です。お楽しみに!