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ゲーム業界のベテラン3DCGデザイナーに共通していたこと
TEAM

ゲーム業界のベテラン3DCGデザイナーに共通していたこと

3DCGデザイナー
マネージャー

H.W

2014年入社

3DCGデザイナー
マネージャー

カッキー

2015年入社

コロプラでデザイナー採用される人の絶対条件は、"美大卒で、ゲームが大好きであること" !?

いいえ、そんなことはありません。今回は一般的な型に全然ハマらない!? ベテラン3DCGデザイナーが対談し、ゲーム業界に入った経緯からこの仕事を続けている理由まで率直に語ります。

マネージャー職も務め、採用面接もよく担当する2人のリアルな会話から見えてきた共通点とは?

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「3DCGは独学」の2人が
ゲーム業界を選んだ理由

まずはお一人ずつ、学生時代のことからお話しいただけますか。

カッキー 私は武蔵野美術大学の工芸工業デザインという学科で、インダストリアルデザインを専攻していました。カーデザインをはじめ家電や椅子、陶芸、オブジェなど立体物を幅広く制作する学科だったんですが、あるとき研究室にあったMacで3DCGソフトを触ってみたら思いのほか楽しかったんですよね。もう夢中になって、家でも作業できるようにそのソフトのライト版も買って、大学の授業とは関係のない作品をどんどん作っていました。

ということは学生時代から3DCG一筋なんですね。

カッキー そうですね。在学中にCGコンテストで賞をいただいたこともありまして、「3DCGを仕事にしたいなあ」と思って、気付いたらコンシューマ系のゲーム会社に入ってました。

インダストリアルデザインとゲームはあまり結びつかない気がするのですが。

カッキー 当時はCGで就職するといったら映像系かゲームの2択で、ゲーム会社を受けたところすぐ決まりまして、以来ずっとゲーム業界にいるという感じです。

なるほど。Wさんもやはり学生時代から3DCGを勉強されていたんでしょうか。

H.W いえ、僕はかなり変な経歴で、学生時代の専攻はケミカルでした。白衣を着てフラスコ振って研究していた......バリバリの理系です。院まで行って、工学修士号も持っています。最初の就職先は化学材料メーカーの研究所でしたね。

えっ、ではどこでデザインの勉強を?

H.W 絵は趣味で描いていたんですね、写実的なものからアニメまで。画材は水彩、パステルなど何でも試して、エアブラシのインクは当時1色500円で、エアボンベも1,200円という学生には非常に高額なものだったんですけど、バイト代を全部つぎ込んで買っていました。

バリバリの理系でありながら趣味で美術を追及されていたと。

H.W はい。でも研究所を27歳で退職して、業界を変えることにしたんです。デジタルハリウッドに半年通って、それからフリーランスで3年くらい映像の仕事をしました。そのあとは誰もが知っているキャラクターのゲームを作る会社を数社経験しまして、3Dゲームを作るためにコロプラに入社しました。

化学材料メーカーからフリーランスのデザイナーになられて、その後ゲーム会社に......またなぜゲーム業界に?

H.W ゲーム業界に転職しようと思ったきっかけは『GRAN TURISMO2』です。見事にハマりまして、指にタコを作りながらずっとやってたんですね。自己ベストは当時の日本トップ記録よりも速かったくらいで(笑)。ちょうど趣味で3DCGをやっていたこともあって、選択肢としてこういう業界もあるなと思ったんです。

3DCGの未来予想?
「楽しいからやっていただけ」

ご経歴は違っても、3DCGを独学していた点は共通しているようですね。

H.W CGは最初 Adobe Photoshop で2Dから入ったのですが、3DCGをやり始めた頃は『プリミティブ』という基本的な形状を思うように操れなかったですね。「こういうふうにしたいんだけど......」とモニター画面に手を突っ込みたい衝動にかられました。

カッキー とてもよくわかります。立体を現実世界で作ることと3DCGソフトの中で作ることは感覚としては同じなんですけど、アプローチの仕方が違って、3DCGソフトのほうがちょっと不自由なんですよね。行きたいところになかなか行けないことがあるというか(笑)。

H.W ハードもソフトもだいぶ進化しましたけどね。

カッキー 昔と比べたらもう全然、別物です。Autodesk Maya もバージョン1から使っていますけど、当初はポリゴンさえ扱えなかったですから(笑)。

H.W ポリゴンは LightWave で作っていましたし、「とりあえず寝る前にレンダリングボタンを押す」というのが日課でした(笑)。

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3DCGの需要は高まり続けていて、ハードとソフトも目覚ましい進化を遂げたわけですけれど、ここまでの進化を予想されていたんでしょうか。

H.W いや、むしろ僕がこの業界に入ったときは Autodesk Maya がまだなかったですし、ノートPCもモノクロでしたし、そもそもスマホなんてなかったですし......ただ楽しいからやっていただけですね。

カッキー まさかスマホでゲームができるようになるとは思ってなかったですよね。

H.W 単純に「Adobe Photoshop を使うようになったら画材をいちいち買う必要がなくなって良かった」と思っていました。まず「好き」という気持ちがあって、ずっとそれをやり続けているというか。

カッキー ああ、そうですね。とくに学生時代なんかは没頭して、朝まで作るとかしていました。

「将来性があるから3DCGに取り組む」とかいうことではなく、「好き」とか「楽しい」という気持ちが原動力になっていて、自ら技術を磨いてこられたんですね。

H.W 逆に、技術的なところを授業や仕事でしか得ようとしない人は成長しないと思います。仕事では前提として「ユーザーさまに楽しんでいただけるクリエイティビティを発揮したい」という考えはありますが、自分の趣味が活かせる業界にいて、かつ技術が身についていくという有難い環境にいると思いますね。

カッキー 私の場合、プライベートでは意識的に「3DCGから逃れる」ことをやっていた時期もあります。樹脂でチョロQのボディーを全部自作するとかしていました(笑)。

H.W 家では作りたいものを作りますね。毛のシミュレーターを使って、結構リアルな狼のモデルを作ったり(笑)。

「ゲームが好き」は必須ですか?
この仕事を続けてきた理由

ところで、コロプラのデザイナーとして働く場合、「ゲームが好き」ということはやはり必須なんでしょうか。

カッキー うーん......「ゲームが好き」という方はもちろん歓迎しますが、それほど没頭しているわけじゃないから言える意見というのもあると思うんですよね。ゲームが大好きな人だけでなく、普段そんなにゲームをやらない人の意見も重要なんじゃないかなって。

H.W スマホゲームって家庭用ゲーム機がなくてもできるわけで、普段ゲームにハマらない人でもハマるようなものを作れたら、ということは考えますよね。

カッキー そうなんです。だからそこまでゲームが好きじゃない人でも大丈夫というか......ただ、好きじゃなくても遊んでみて、研究する姿勢は必要です。あと、創作活動でもなんでも、追求するタイプの人だったら一緒に働きたいと思います。

H.W 「モデリングだったら誰にも負けない」というような人とか、「お客さまが喜んでくれるものを作りたい」という意識を持っている人とか、ね。ただ、とんがっている部分はあるほうがいいですね。

カッキー ああ、大事ですね。具体的にどう、と言うのは難しい部分ですけど。

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なるほど。ところで、お二人がゲーム業界の仕事を続けてきた理由のようなものがあったら、教えていただけますか。

カッキー 実を言うと、私は「この業界で生き残っていこう!」とか思っていたわけではないんです。流されるように進んできたというか。「やってほしい」と頼まれることをしっかりやってきた先に今があるような感じなんです。要は「やってほしい」と言われることって得意なことであることが多いので、無理なく続けられたんですよね。

H.W エンタメ業界に入ってからは他業界への転職を考えたことはないですね。みんなが喜んでくれるものを作れる仕事っていいなと思いましたし、CGの賞を受賞したり、作品のクレジットに自分の名前が載ったりすると嬉しくて、励みにもなりました。これはエンタメ業界特有のものでしょうけれど、ちょっとだけでも世に名前を残せたかもと思えるんですよね。

カッキー とてもよくわかります。私は自分が携わったゲームを息子がすごく楽しそうに遊んでくれたとき、本当に嬉しくて、それがモチベーションの一つになったと思います。

作品が世に出て評価されることがモチベーションになっているという点も共通されているんですね。最後に、これから3DCGデザイナーを目指す学生さんに向けて、何かアドバイスをいただけますか。

カッキー すごく単純なことなんですが、あくまでも絵がしっかり描ける上で3DCGを学ぶこと、ですね。"3DCGデザイナーだから3DCGの技術だけ身につければいい "というわけではないんですよ。

H.W モデラーだからといってモデリングだけやっていればいいわけではないですよね。ソフトにしてもAutodesk Mayaが主流になったのも最近で、Mayaに特化しすぎても次の主流になったときには違うツールを使わないといけないわけです。そのときにどんなツールでもアウトプットできる力がないといけないので、基礎力ってすごく必要だと思います。

カッキー ソフトを使う前に絵の基本を学んでいる人と学んでいない人とではすごい差が出るので、絵の勉強はしっかりとしてほしいですね。

H.W 自分の経験からすると、ある制作会社に勤めていた頃は毎朝就業時刻より1時間早く行って、主要6キャラのイラストを描いていました。「絵で表現できないことには3DCGで表現できない」とわかっていたので、およそ3年、ポーズ集を参考に描き続けました。今でもその経験が非常に役立っていると思います。

今さらりと「毎朝就業時刻より1時間早く行って、主要6キャラのイラストを描いてた」とおっしゃいましたが、なかなかできることではないと思います。

H.W 自分が続けやすいものでいいので、習慣的に自分の基礎力を高められるようなことを何かしておくほうが伸びるとは思います。たとえば僕は今、メインがモーションデザイナーの仕事なので、通勤途中に自分の歩き方のチェックを毎日しています。ポケットに手を入れて骨盤の動きを確かめて、体重移動の仕方を確認するんです。2Dであれ3DCGであれ、自分が作りたいイメージを形にできるかどうかは、基礎力に掛かっていますからね。

なんだかスポーツ選手みたいですね。

H.W いろいろ話しましたけど、あくまで僕の場合の話なので、参考になるかなあ。

カッキー だいぶ特殊な例ですからね(笑)。

お二人ともだいぶ特殊な例だったと思いますが、ともかく面白かったです。ありがとうございました!