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コロプラ『インターンシップ2020』特設サイトのキービジュアル制作秘話
SPECIAL

コロプラ『インターンシップ2020』特設サイトのキービジュアル制作秘話

M.S

背景デザイナー

2019年3月 武蔵野美術大学 油絵学科卒業。2019年4月新卒入社。新卒研修後、『白猫プロジェクト』チームに配属され、現在も同チームで背景制作に従事。

2020年4月1日、コロプラの『インターンシップ2020』特設サイトがOPENしました。このキービジュアルを制作したのは、2019年4月に新卒入社した背景デザイナーのM.Sさんです。普段は『白猫プロジェクト』の背景(建物や風景など)を描いていますが、今回はまったく異なるテイストのビジュアル制作に挑戦しました。

油絵学科の出身で、Adobe Photoshop を本格的に使い始めてからまだ1年ということですが、このビジュアルを描き終えたときに「入社当初と比べると断然、ツールを自分の手として使えるようになったと思えた」とのこと。社会人生活1年目の終わりに任された大仕事が、いい振り返りの機会になったようです。

今回は、学生時代のポートフォリオのことからキービジュアルの制作過程で大事にしたポイントまで聞いてきましたので、コロプラのインターンシップに関心のある方はもちろん、絵を描くことや見ることが好きな方にもお楽しみいただけるのではないかと思います!

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学生時代に打ち込んだドット絵と、スマホゲーム制作の親和性

学生時代は油絵を専攻していまして、大学2年生の半ばまでは、個人で絵を発表していく画家やイラストレーターになろうと思っていました。しかし世の中を見渡したときに、作家として活動していく場合、作品を観ていただける機会がかなり限られてしまうのではと思い、それは本当に自分がやりたいことなのだろうか......と考えるようになりました。
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それから就職するかどうかも含めて悩んでいたのですが、ある日、ゲーム好きの父がコロプラの『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』を夢中になってプレイしているのを見て、これかも、と思いました。老若男女に愛されるようなゲーム制作に携われば、自分が描いたものをいろいろな方に見ていただけるのではないか、と考えたのです。とはいえ授業でデジタルイラストを描く機会はほぼなかったので、独学で Adobe Photoshop を習得し、ポートフォリオにもデジタル作品を増やしていきました。
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それと学生時代は個人的な趣味として、EDGEでドット絵を描いていました。もともと1980年代後半のゲームにおけるドット絵やBGMが好きだったのですが、2010年代後半にもドット絵のリバイバルブームのようなものが起きて、SNSなどで自分が作ったドット絵を発表する人たちがいるのを見て、自分もやってみたいと思ったのがきっかけです。ちなみに本記事で自画像代わりに載せさせていただいたのは、鳩のドット絵になります。
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ドット絵は、情報量がすごく少ないのにリアルな物を描けたり、逆にドット絵らしい大変シンプルな絵も描けたりするところが魅力だと思います。色数を増やせばそれだけリアルになり、またリッチにすることもできるのですが、逆に限られた色数の中でどれだけ表現力を高められるかとか、そういう制約がある中で表現方法を変えていくところに面白みを感じています。もちろん、Photoshop を使ってペンタブで描けば、いくらでも細かい描き込みができますが、ドット絵では解像度が低ければ低いほど、1ドットの置き場所によってかなり印象が変わりますので、それを模索するのが楽しかったりします。

制約と言えば、『白猫プロジェクト』のような3Dのスマホゲーム制作でも、データ容量やポリゴン数といったものを気にしなければいけません。就職活動の際、コンシューマゲーム会社とスマホゲーム会社のどちらに行くか考えたときに、私は制約がある中で制作をするほうが自分に合うと考えて、コロプラへの入社を希望しました。
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「覚醒」のビジュアル化における試行錯誤

今回は『インターンシップ2020』のテーマである「覚醒」を表現するビジュアルを作る、というお題だったのですが......正直、「覚醒」と言われてすぐに、今のような完成形のイメージが思い浮かんだわけではありませんでした。
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ただ、人が覚醒する瞬間と言いますか、"切り替わる瞬間" みたいなものを表すことは初めから決めていて、かつ限られた時間の中でどれだけいいものを作れるか、という視点から考えたときに、背景をシンプルにして手前にモノを集めたような表現にしようと思いました。

そして「殻を破るイメージ」「頭がSPLASHするイメージ」という2つの方向性のラフを描いて、周りの方に見ていただいたところ、「殻を破って出て行く "覚醒感" が、より強い」という理由から、「殻を破るイメージ」が選ばれました。
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そもそも「覚醒」は日常で起こるようなことではありませんので、Before(覚醒前)から After(覚醒後)になるときには非現実的な状況に陥るのではと思い、自然光とはぜんぜん違う色合いにしています。自然光の場合、光は暖かな黄色系で、影は青系になりますが、このビジュアルでは一番眩しい光を青っぽい緑にして、逆に暗めのところにピンクを入れています。ただ、ビビットな色の組み合わせのために、サイケデリックと言いますか、ちょっと怖くて暗い印象になってしまう可能性もありましたので、色の配置や光の入れ方を細かく調整することで、そうならないように気をつけました。
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よく見ていただくと、中央にいる男性のほかに、右上に女性がいるのですが、この二人はBefore(覚醒前)と After(覚醒後)という状況の違いこそあれど、並列な関係にあるという設定です。一人で黙々と勉強を続けていくうちに覚醒することもあるとは思いますが、今回はインターンシップのキービジュアルということもありますので、他者がいる状況で覚醒するほうが良いのではないかと考えて、キャラクターを二人描くことにしました。また、自分自身が覚醒した瞬間って、周りの景色は見えないはずなので、女性についてはある種のトランス状態を表現したつもりです。

全体的に宇宙空間っぽく見えるかと思いますが、初めから宇宙感をイメージして描いていたわけではありません。もともと球体の殻が破れ、集中線が伸びていくという構図で覚醒感を出していたところ、ある1本の長い線を入れたときに、ちょっと無重力空間のように見えたので、" Before(覚醒前)にピタッと止まった瞬間と、After(覚醒後)に弾けて動きが出た瞬間" にしようと考えて、途中から宇宙っぽくしていったという経緯があります。ちなみに普段の業務で背景を描いているときはパースに則って描いていくのですが、今回はむしろ逆の描き方をしています。
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Photoshopを使っていますので、フィルター効果などを使えば、いくらでもいい感じの雰囲気を演出できます。でもそれは最小限に抑えて、なるべく絵筆で描いたような味が出るように仕上げました。たとえば女性の髪について、パッと見ただけではベタ塗りのピンクに見えるかと思いますが、よく見ていただくと、場所によって描き方やぼかし方を変えています。シャープに見せたいところは一切ボケがないようにピクセルの角を立てるような感じで描いて、逆にフワッとさせたい部分は、ある程度厚塗りで描いた感じを出すようにしています。はっきり描きたいところは一切ボケたりズレたりしないように描くとか、逆にラフなところはラフすぎるくらいザっと残すとか、そういうメリハリは大事にして制作しました。
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『インターンシップ2020』キービジュアル制作を終えて

今回のビジュアル制作にあたり、私自身の「覚醒」について考えてみたのですが、やはり周りから刺激を受けたり、教えていただいたりしていく中で、"そうか、こうすればいいんだ" というような気づき、ある種の「覚醒」に近いものはあるなと思いました。コロプラに入社してからの1年でデザイナーの先輩方はもちろん、エンジニアやプランナーといった、いろいろな職種の方から客観的な意見をいただいたことで大きく成長できたと、今改めて思います。

また、その過程で、他者の意見を聞くだけではなく、自分の芯は大事にしていく必要があるということにも気づきました。それがないと、落としどころが見つからず、自分が仕事を任せていただいている意味もわからなくなってしまうからです。よってこれからインターンシップを受ける方にも、自分の芯のようなものは大事に守っていただけるといいのではと思っています。

インターンシップは他者に出会うだけでなく、新しい自分に出会える可能性を秘めた場所です。短期間で、これまでにない別の考え方で絵が描けるようになるかもしれませんので、ぜひいろんな展開を期待して、挑んでいただければと思います。

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