コロプラ・ベアーズ 面白いものを作りたい仲間が集まるベアーズ

新卒UIデザイナーたちのポートフォリオ制作秘話【後編】具体的な作り方〜総論
SPECIAL

新卒UIデザイナーたちのポートフォリオ制作秘話【後編】具体的な作り方〜総論

みさき

多摩美術大学 グラフィックデザイン学科(伝達コース専攻)卒業。2018年、コロプラに新卒デザイナーとして入社。現在は新作スマホゲームのUIデザインを担当。

ハナ

桑沢デザイン研究所 昼間部 総合デザイン科(ビジュアルデザイン専攻)卒業。2018年、コロプラに新卒デザイナーとして入社。現在は運用中のスマホゲームのUIデザインを担当。

ミミ

桑沢デザイン研究所 昼間部 総合デザイン科(ビジュアルデザイン専攻)卒業。2019年、コロプラに新卒デザイナーとして入社。現在は運用中のスマホゲームのUIデザインを担当。

印刷トラブルと格闘し、完成したポートフォリオの総額は......

前編】によると、みなさんポートフォリオを数冊ずつ作ったということですよね。では今、手元にあるそのポートフォリオは何冊目ですか?

ハナ これは......6、7冊目でしょうか。表紙は一緒でしたけど、受ける企業によって載せる順序を変えたり、作品数を変えたりしていました。たとえばパッケージデザインの会社を受ける時はパッケージの作品を最初にまとめて載せていましたし、作品数も多いものと少ないものを作っていました。

みさき 私は......9冊目です。最初の頃はファイルを使っていたので、全部同じ形態ではありませんが、装丁とか表紙もいろいろ変えてここにたどり着いた感じです。

ミミ 私は、製本したものとしては3冊目です。ただ、製本の過程で印刷会社さんに印刷の順序を間違えられてしまい、使えなかったものなどもありますので、実際はもっと多いです。

みさき それでいうと、学校の印刷機の調子が悪くて、刷り損じ大量! みたいな日が何度となくありました。紙専門店で選んだ高価な紙なのに、手動で印刷すると紙がグチャッとなったり、表と裏で微妙にズレてしまったりして......"今日この印刷機は機嫌が悪いな" みたいなこと、なかった?

ミミ 共感! その時は泣きたかったです。

ハナ 私も印刷トラブルは度々あって、お金もかかるし、すごく困っていた記憶があります。

では印刷トラブル問題も含めて、1冊作るのにいくらくらいかかりましたか。

ハナ 私は7,000円かかった記憶があります。これ、学生にとってはめちゃめちゃ高いです。でも同時進行でいろんな企業を受けるためにはほぼ同じ内容のものを何冊も作る必要があって、それぞれ7,000円しました。

ミミ 私も1冊につき印刷代だけで6,000円~7,000円かかりました。製本のために紙や材料なども買いましたので、実際にはもっとかかった気がします(泣)。

みさき 私は全部同じ金額はかかっていないと思いますが、これを1冊作るのには10,000円以上したと思います。
te_20191227_portfolio_specialtalking_800_1225_K7D0255.png

みなさん、結構な金額のものを何冊も作ったそうですが、お金を惜しまずに作ろうと思ったのは、やはり「就活ではポートフォリオがかなり大事」だと思っていたからでしょうか。

ハナ いえ、本当はそんなにお金をかけたくなくて、これでもお金が最小限で済むように、極力シンプルに作っているんですよ。でも1冊目を作ったからといってOKになるわけがなくて、製本してみないと "もうちょっとマージンが必要かも?" とか感覚がわからなくて......印刷会社さんに印刷をお願いして、こだわって作っていたら、そうなってしまっていたという感じですね。

ミミ 私も "気づいたらこんなにかかってしまった" という感じでした。安く済ませようと思えば、紙は普通のコピー用紙でいいでしょうし、印刷も家のプリンタでできます。でも、私にとって「ポートフォリオ=自己紹介」です。この紙の質感や印刷によって出る "雰囲気" が自分の性格として伝わるので、それぞれの素材にこだわる必要があったんです。

みさき 私はエディトリアルが大好きだというアピールをしたくて、自分でゼロから製本するという手法をとりました。そもそも紙が好きなので色々買って印刷を試してみると、紙の質感によってインクとの相性があって、発色も印刷してみないとわからなかったりして......日々紙を買い足しながら進めて、ようやく納得のいくものができたとき、"トータルでいくらかかったんだろう" と計算してみると、 "おや......(10,000円!)"みたいな感じでした(苦笑)。

ハナ そうだよね。ただ、ポートフォリオを作る学生全員がこんなにかけているかと言えばそうではなくて、この3人は紙モノが好きで、 "こだわってお金をかけた" タイプのメンバーだと思います。

みさき 私も「普通のクリアファイルでも大丈夫ですよ」とコロプラの人事の方から言われていました。

ミミ たしかに、デザイン学校の友達も、ポートフォリオにかける金額は人によって違いましたね。

なるほど。ちなみに、3人とも白い表紙でA4の製本したタイプですが、それはお約束なのでしょうか。

全員 偶然です(笑)!
te_20191227_portfolio_specialtalking_800_1225_K7D0215.png

全企業に共通していたこととは?

先ほど「企業の採用方針に合わせてポートフォリオを作った」という話がありましたけど、逆に「どの企業でも共通していた」ことについて、お話しいただけますか。

みさき 「文字は読んでもらえない」でしょうか。学校で先生にポートフォリオを見ていただいていたのですが、「採用担当の方は大量のポートフォリオに目を通すから、情報は簡潔に!」と言われて、最終的には全てのキャプションをだいたい5行以内で収めるようにしていました。

ハナ それは一緒かも。「ポートフォリオを見てもらえる時間はとても限られていて、興味がある部分しか読んでもらえない。大事なのは、コンセプトを簡潔に伝えること」というのはどの先生からも言われていて、どの企業に対するポートフォリオでもそこは守って制作しました。あと、同じ作品が3、4ページもあると間延びしてしまうので、1作品につき見開き2ページくらいに抑えるというのも共通していたと思います。

ミミ 私も同じで、文字は少なくして、できるだけ写真とデザインだけでコンセプトが伝わるように、シンプルに作っていました。 
2019_02.png

「企業によって言うことが違う」ということは、"企業が言うこと" と "先生が言うこと" が違う。あるいは、"先生によっても意見が異なる" ということもあるのではないでしょうか。

ハナ たしかに、同じポートフォリオでも先生によって意見が全然違うということはありました。さらに企業によっても言うことが違うので、悩んでいた時期もありましたが、私は結局、受ける企業ごとに見せ方を変えて提出していました。

ミミ 私も数名の先生に見ていただいたところ、意見はバラバラでした。ある先生に「すごくいい」と言ってもらえても、別の先生には「全然ダメ」と言われたりして......最終的にはいろいろな人のポートフォリオを見たり、ポートフォリオに関する記事をいくつか読んだりして、自分が作りたいように制作しました。

みさき 私はポートフォリオの授業があったのでその先生に見ていただきながらベースの1冊を作り、それをもとに企業ごとに編集していきました。ほかには、身近な人に感想を聞いたり、友達のポートフォリオを見せてもらったりして、ブラッシュアップしていきました。ちなみにポートフォリオを見てもらう相手は、エディトリアルと関係のない他学科の友達や、自分とは違う年代の方など、意図的に幅広くしていました。それによって大学特有の言い回しに気づくことなどがあったので、大事な工程だったと思っています。
25_iso_1.jpg

UIデザイナーとして自分のポートフォリオを採点! 今、就職活動を振り返って思うこと

ではUIデザイナーになった今、自分のポートフォリオを採点するとしたら、何点だと思いますか。

ハナ 正直、点数をつけられないくらい低いと思います。この時の自分にできた限界だったはずなんですけど、今見ると "字詰めがヤバイ" とか、"このドロップシャドウの落とし方、ひどすぎる" とか気になるところがたくさんあって......40点とか、30点でしょうか。同期や後輩のポートフォリオを見たり、仕事でデザインしたりしているうちに、自分のポートフォリオのどこが悪かったのかがよくわかるようになったんだと思います。でも1年前の自分だったら、60点とかつけていたかもしれません(苦笑)。

みさき 当時の自分は頑張っていたはずなんですが、今ミミちゃんのポートフォリオを見たら、私ももっと自由に、遊びのあるデザインにしても良かったんじゃないかなって思ってしまいました。"情報整理" とか "人の見やすさ" といったものにとらわれて、教科書みたいになってしまったと思います。提出した時は全然客観的に見られなかったので満足していたのですが......今採点すると、20点です。ただ、1年前だったら90点くらいつけていたと思います(笑)。

ミミ うーん......難しいですが、私の場合はまだ1年前の自分が一生懸命作った作品なので、「60点ギリギリ合格」と言いたいです。でも今、改めて見るとやっぱり足りないところが多いですね(苦笑)。

みなさん自分に厳しいですね(笑)。でも一方で、それだけ成長したということかもしれませんよね。最後に、これから就職試験をする学生さんに向けてメッセージをお願いします!

みさき 私は最初、出版・印刷業界ばかりを見ていたのですが、美術系の採用イベントに参加してみたことで、自分が知らなかった企業や職種がたくさんあることを知り、興味を持てる対象が増えたと思っています。なので、自分が知っている企業のことだけを考えたり、業界を絞りすぎてしまうのではなく、いろんなイベントに積極的に参加してみることで道が拓けることもあるんじゃないかなと思います。

ミミ 私はそもそも日本に来る前に、自分が日本で本当に生活できるのかというところから不安で、就活についてもたくさん悩んでいて、内定をもらえる自信ももちろんなくて、あの頃の私には、今ここにいる自分の姿を全く想像できませんでした。でも今ここまで来られましたので、人には自分が思っている以上に力があるものなんだなと思っていいます。だからこれから就活をされる方にも、自分のことを信じて頑張ってほしいなと思います。応援しています!

ハナ 私は就職先が決まらない時期が長かったんですけど、今振り返ってみると、"ポートフォリオが完成しないからまだ企業に出せないな" と思って面接に行き渋っていた時期があったり、 "ポートフォリオって、結局、何が正解なんだろう" と悩んでいたりした時期もあったんですね。でも何冊もポートフォリオを作って、何回も面接に行ってわかってきたのは、"私は正解を求めて作っていたけれど、たぶん正解は見つからなくて、自分に合う企業に巡り合って決まるものなんだな" ということでした。だからポートフォリオが完成しなくても悩まずに、いろんな企業に行ってみて、いろんな意見をもらって、自分のポートフォリオに自信を持って面接を受けられたら、いずれ自分と相性の良い企業に出会えるんじゃないかなと思っています。

ポートフォリオに "絶対的な正解" がないにしても、説明会に行ったり、面接を受けたり、人に会ったりすることで、次の展開が見えてくるということですよね。今日はみなさん、ありがとうございました!