面白いものへの探究心が止まらない『黒猫のウィズ』プランナー
K.N
プランナー
1989年茨城県生まれ。早稲田大学(大学院)卒。新卒研修期間を経て『ランブル・シティ』のエンジニアとして活躍した後、プランナーに転向。現在は『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』のプランナー、ディレクターを担当。
小さいころからゲームとモノづくりが好きで、大学在学中からスマホアプリを開発していたというぬまっちさん。でもゲーム一筋というわけでもなく、休日は都内の地形・歴史調査を楽しみ、手品の練習をしていると言います。そんなぬまっちさんから、コロプラに新卒で入社した理由や仕事で大事にしていること、ものづくりへのこだわりについて聞いてきました。
エンジニアからプランナー、ディレクターへ転向
まずは新卒でコロプラに入社した理由を教えてもらえますか。
大学生のころ趣味で作ったスマホアプリがヒットしまして、素人が作ったモノが手軽に売れる環境に興味が湧いて「これからはスマホアプリが広がっていくんだろうな」と可能性を感じたのが、この業界に興味を持ったきっかけです。そして子供のころからゲームが好きだったので、スマホ向けのゲームアプリを開発しているコロプラ社を選びました。
ぬまっちさんは新卒でエンジニアとして入社後、プランナー、ディレクターへと転向しましたよね。もとからプランナーやディレクターになりたいと思っていたんですか?
いいえ。入社当時はプランナーやディレクターになるとは考えていませんでした。コードを書くのが好きだったので、エンジニアとしてどんどんコードを書くつもりで入社しました。
ではなぜプランナーに転向したんでしょうか。
『ランブル・シティ』の開発で、ある先輩と出会ったのがきっかけです。私は大学に入ってからプログラミングを学んだのですが、その先輩は小さなときからコードを書いていたらしいのです。力量に圧倒的な差を感じて、「これは勝てないぞ」と思いましたね。そして「自分にはもっとほかに向いていることがあるんじゃないか」と考えるようになったころ、タイミングよく上司が「プランナーやってみない?」と提案してくれたんです。
学生時代はぜんぶひとりで考えてゲームを作っていたくらいですから、企画にも興味はあったんでしょうね。
そうですね。コードも書きたかったし、企画もやりたかったです。アイディアを考えるのは昔から好きなんです。
エンジニア、プランナー、ディレクターでは立場も仕事内容も違うかと思います。すぐに切り替えられましたか?
仕事の進め方は先輩を見て学びましたね。特に先輩のうがぴよさんはチームメンバーを同じ目的に向かって引っ張っていく力やみんなを説得する力があるので、学ぶところが多いです。私はエンジニア出身ということもあり、「なぜこの機能が必要なのか、何がおもしろいのか」ということをちゃんと納得してから作りたいんです。納得感をもって取り組むのと、その作業をやる意味がよくわからないままやるのとでは、モチベーションも効率もぜんぜん違いますので。だから今はうがぴよさんのような先輩たちをお手本にしながら、説明する力を磨いているところです。
みんなで作っていく現場で、そういう考え方は重要ですよね。お仕事ではコードを書かなくなったわけですが、プライベートで何か作っていたりするんでしょうか。
はい。プログラミングは好きなので、個人的にライトゲームを作ったりしています。完全に離れてしまうと、すぐにわからなくなっちゃいますから。趣味程度なので一般公開はしていませんが、仲のいい友だちと密かに遊んでいます。
コードも書けるプランナー、頼もしいですね。入社前と後で、会社や業務内容のイメージは変わりましたか。
あまりギャップはありませんでした。ただ、ものづくりに対してのこだわりはすごく強くなりました。個人で作っていると、どこかで妥協するんですよ。このくらいでいいだろう、って。それがチームでつくっていると妥協は一切許されない。そこは大きな違いでしょうね。
エンジニア、デザイナーなど、それぞれのプロフェッショナルがいるのもチームならではですね。
そうですね。私なら1日かかりそうなプログラムを15分でできる人がいたり、デザイナーさんからイメージ以上のクオリティの高い絵が出てきたりすると、「おおっ!」と感動します。
小さいころからゲームとモノづくりが大好き
小さいころはどんな子供でしたか?
小学生のころは太っていて、運動が苦手な子供でした。親が共働きで「一人で家にいるのはさびしいだろう」という思いからおやつとゲームをたくさん与えられていて、ずっと家で遊んでいましたね。
やはりゲームが好きだったんですね。
大好きでした。最初に遊んだのはゲームボーイで、新しいソフトをたくさん買ってもらっていました。すると、友達がみんなゲームしにくるんですよ。
なるほど。なかでも好きだったジャンルなどはありますか?
任天堂のゲームは特に好きでしたね。グラフィックがどんどん美しくなるだけでなく、新しい遊びの要素を常に提供していましたから。今までにないものを次々と生み出していくのは、本当にすごいことだと思います。
当時から単にゲームをするだけでなく、「自分はなぜそのゲームが好きなのか」ということを考えていたんですね。ゲーム以外には、どんなことをして遊んでいましたか?
手先は器用なほうだったので、折り紙や工作などをしていましたね。けっこう難しい折り紙をやっていて、昆虫シリーズとか作っていました。プラモデルもけっこうやりましたよ。おやつを食べて、家の中にばかりいましたから、太る一方でした(笑)。
でも今はすごくスッキリしていますよね。
中3になって自我に目覚めて(笑)、少しダイエットしたら痩せました。成長期だったので、わりとすぐに。
痩せてから高校で運動部に入ったりはしなかったんですか。
中高一貫校だったので、中学からやっている子には太刀打ちできるものがなくて。
太刀打ちできるか、という視点から考えるんですね(笑)。
負け戦に挑みたくない性格だとは思います。あまり人が手を出さないところのほうが勝ちやすいので(笑)。そこを狙っていく感じです。
街歩きや手品から、おもしろさのタネを収集
ぬまっちさんの趣味は東京の地形・歴史調査、そして手品だと聞いています。ずいぶんユニークですね。歴史調査って、どんなことをするんですか?
休日に、古地図アプリを使って散策しています。「へえ、ここに大名屋敷があったのか」とか確認するのが楽しいんですよ。
いつから興味をもち始めたんですか。
大学に入って上京し、東京の街を見たとき、すごく歴史が詰まっているように感じたんです。そこからハマり始めました。道が微妙に湾曲していると「これは昔からあるのかな?」などと考えて......それが楽しいんです。
なるほど。それから手品もやっているんですよね。
手品は高校生のころからずっと続けています。前田知洋さんのマジックをテレビで見て「これはスゴイ!」と衝撃を受けてマジックショップで本を買い、そこからハマりました。
まずは、マジックショップに行ったんですね。
手品って基本、タネを買うんですよ。高くて買えないタネは自作もしてみました。「きっとこういう仕掛けなのかな? 」と想像して作ってみるんですけど、難しい。自作はすぐにバレちゃいます。
手品は飲み会で披露したりするんですか?
いえ、めったに人には見せないですね。人に見せるよりもタネを知るのが好き。タネを買って「へー、こうなっているんだ」と確認して、おしまいです。
えっ、どういうことですか!?
一度も見せたことのないタネもけっこうありますよ。見せるのが目的ではなくて、みんながびっくりする、不思議な現象を起こす方法に興味があるんです。それを調べて、納得すれば終わり。たぶんゲームに対しても、遊んで楽しむこと以上に「なんでこんなにおもしろいんだろう?」という興味があるんです。「なんでこういう動きができるんだろう?」「どうやって制御しているんだろう」というのが気になります。街を歩いていても、いろんなことが気になるし、疑問をそのままにしておけない性質なんです。「世の中の人はどんなことを面白がっているのか。なぜそれが面白いと思うのか」、その理由が知りたい。面白いものを作るために、面白さにつながるタネをひとつひとつストックしておきたいんです。
その思考は、プランナーやディレクターの仕事に活きているのかもしれませんね。