転職して驚いた「コロプラにおけるゲームの仕様書」とは?
こんにちは、Be-ars編集部です。
先日、コロプラに転職してきたKさんに入社後のギャップについて聞いたところ、「ゲームの仕様書......のようなものが本当にシンプルで驚きました」という感想がありました。これはゲーム制作に必要な要件定義をまとめたドキュメントのことを指しているのですが、一般的な「仕様書」 と比べるとずいぶん違うもののようです。
具体的には数枚のドキュメントで、運用中のゲームの概要やコンセンサス(関係者の合意)の記録など、チームメンバー全員に共通で認識してほしい決定事項が載っています。その特徴はとにかくシンプルで、「仕様書」というよりは「仕様概要書」くらいの言い方のほうがしっくり来るかもしれません。
しかも全チームが作るように決められているわけではなく、あくまで「仕様書があるほうがコミュニケーションが円滑になる」と判断したチームのプランナーが作る......というものです。
これはコロプラ流のゲーム開発の特徴とも言えますが、 転職者の方には驚かれることもあります。そこで今回、コロプラではなぜこのような方法でゲームを制作しているのか、改めて記したいと思います。
本当に面白いゲームを作るために必要なモノとは?
コロプラでは創業当初から「本当に面白いゲームを作るためにはトライ&エラーが不可欠。トライ&エラーを高速に行うために仕様書を書く時間を減らす(=仕様書を作る時間があるなら実際に制作してみるほうが早い)」という考えのもと、ゲーム制作をしています。よって現在運用されているゲームに「企画書」はあっても、すべてに「仕様書」が存在しているわけではなく、基本的にはクリエイターたちが口頭ベースで意思疎通をしています。
先日の「プランナー部長対談」でも触れられていたように、コロプラのゲーム制作はまずプランナーが「このゲームが世に出る頃にはこういう体験が求められるんじゃないか」とイメージをして、大枠のコンセプトや機能など、ゲームの骨格を決めます。
そして具体的な動きやデザイン、演出などは制作の途中でどんどん変えていきます。というのも、新しいゲームを開発している期間にもハードやソフトを始めとする外的要因が変化していくので、細かい仕様は率先して変えていく必要があるからです。リリース時に最高の状態にするためには、ユーザーさまにお届けするギリギリの段階まで、コンセプトに対してより良い表現やより良いシステムを入れられるように改修を続けます。つまり、開発段階では外的要因を完璧に予測することはできないので、アップデートを繰り返していくのです。
ゲームの仕様書があるチーム、ないチーム
先に「仕様書は全チームにあるわけではない」と書きましたが、その有無はプロジェクトの規模によるのではなく、あくまでそのチームにおいて「作るほうが効率的」と判断された場合は作り、「ないほうが効率的」と判断された場合は作らないというのがコロプラのスタイルです。
一概には言えませんが、仕様書があるチームの特徴としては、大人数で情報共有をするために仕様書が必要と判断した場合になります。
様々なケースがありますが、根幹にあるのは「みんなで面白いゲームを作る」というマインドです。コロプラでは、仕様書があるチームでもないチームでも「みんなで面白いゲームを作る」という同じ目的と想いを持って、創意工夫を重ねています。