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ディズニー『アナと雪の女王』や『塔の上のラプンツェル』に携わった日本人CGアーティスト糸数弘樹氏 講演会リポート

コロプラには社員の成長やスキルアップを支援するための研修制度『コロプラカレッジ』があります。希望制で毎月複数のセミナーを受講できるシステムですが、今回はそのうちの一つ『CGアーティスト 糸数弘樹氏 講演会』の模様をリポートします。

Walt Disney Animation Studios(以下、ディズニー)で『アナと雪の女王』や『塔の上のラプンツェル』を初め数々のヒット作品に携わってきた糸数氏。現在はアメリカと日本でCGクリエイター育成のために尽力されていますが、今回は特別に、コロプラでの講演会が実現しました!

本リポートではその一部をご紹介しますので、クリエイターの方はもちろん、これからクリエイターになりたいという方にもぜひお読みいただきたいと思います。

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1 沖縄で生まれてから、アメリカの大学に入学するまでのこと

沖縄県久米島で育った糸数氏は、琉球大学美術工芸学部でデザインを学んだことをきっかけに留学を決意し、1986年に渡米しました。カーデザインで有名なArt Center College of Designに入学するためにアルバイトをしながらコツコツと語学を学び、約3年かけて学校入学に必要なTOEFLの合格点を得ましたが......そのときにはすでに資金も底をつき、日本に帰らなくてはならないような状況だったと言います。
ところが、友人とラスベガスに行ったところスロットマシーンで2万ドル(約300万円)が当たり、授業料を払えることに! 「ラスベガスから奨学金をもらえたのは一番の転機だった」と、世界的なCGアーティストが生まれるために必要だった奇跡的な出来事を振り返りました。

2 アメリカの大学の教育スタイル

糸数氏はアメリカの大学の教育スタイルで良かったこととして、以下のポイントを挙げました。
・課題が多く、しかも企業から与えられる実践的なプロジェクトばかりだった。
・先生の教え方が論理的で、かつ学生同士の競争も激しかったので、4年間で大きく成長できた。

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3 ワーナーで『アイアン・ジャイアント』のモデラーとして活躍

糸数氏がArt Center College of Designを卒業した頃はちょうどハリウッドで映画にCGが使われ始め、Warner Bros. Company(以下、ワーナー)もデジタル部門を雇い始める時期でした。糸数氏は見習いとして採用され、業務後も独学で勉強したところ半年間で本採用となり、『アイアン・ジャイアント』のモデラーとして大活躍しました。
「CGソフトも発達しておらず、今から考えればすごくややこしい作業をしていましたが、だからこそ『いかにCGデータのつなぎ目を少なくするか』ということを意識していました」

また、これまでに携わった仕事の中で最も誇りを持っている作品は『アイアン・ジャイアント』で、それはブラッド・バード監督(『Mr.インクレディブル』や『レミーのおいしいレストラン』の監督としても有名)と仕事ができたから、とのこと。
「ブラッド・バード監督は、アーティストの意見を尊重しながら作品を良くしていく、素晴らしい方です。偉そうにするようなことは決してなく、いつもユーモアを忘れずに和ませてくれます。監督がいい人だと、周りもいい雰囲気になりますよね」

4 ディズニーで学んだこと

ワーナーで活躍した後、ディズニーからオファーを受けて入社した糸数氏。「人体のモデリングに本格的に取り組んだのはディズニーに入ってからでした」とのことですが、『塔の上のラプンツェル』『ミッキーのミニー救出大作戦』『アナと雪の女王』『ベイマックス』をはじめ、様々な映像作品のキャラクター制作に大きく貢献しました。

ディズニーが重視しているポイントをいくつかご紹介いただきましたが、特に重要なものとして詳しく解説いただいたのは以下の2点です。
・リサーチの重要性
・個々のキャラクターの魅力を増すためにする作業

5 最小限のポリゴン数で、魅力的なキャラクターを作る秘訣

そしていよいよ、Autodesk Mayaを使った実演が行われましたので、その一部をご紹介させていただきます。
モデリングする上で大事なこととして糸数氏は主に以下の3点を挙げました。
・アナトミー(骨格、筋肉)の勉強をしっかりすること
・対象をいろんな角度からよく観察し、かつ全体的なバランスを見ること
・余計なポリゴンを入れないこと

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おわりに

最後に、クリエイターが良い仕事をし続けるために重要な考え方として、以下の2点についてお話しいただきました。
1 どんなに小さな仕事でも熱意を持ってやること
2 アーティストとしての誇りを持ち続けること

世界でも最高峰の現場でCGアーティストとして活躍してきた糸数氏ですが、時には途方にくれるほど細かい作業をする時期もあったそうです。しかしどんな時も心にあったのは「熱意をもって取り組もう」という思いでした。その気持ち次第で、作品の質が上がるとのこと。講演の間も度々「熱意をもって」という言葉を使われていました。
また「大きなチームで働くと組織の歯車のようになってしまう人がいるものですが、ものづくりをする方にはアーティストとしての誇りを持ち続けてほしいですね」というメッセージもいただきました。

以上でリポートは終わりになります。
質疑応答も入れて3時間の講演会が終わると大きな拍手が沸き起こり、質問する人が相次ぎました。

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コロプラでは今後も社員の成長やスキルアップを支援するための研修制度『コロプラカレッジ』の充実を図っていきます。